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【医師監修】茶クマはセルフケアで消える?色素沈着の限界と、手術では取れない理由

「美白のケアを半年続けたのに、目の下の茶色さが変わらない」

「クマ取りの手術を受ければ、この色も消えるのだろうか」

「そもそも、自分のクマがどの種類なのかわからない」

目の下のクマは、種類によって対処がまったく違います。ここを取り違えたまま時間とお金をかけてしまう方が、本当に多いのです。

この記事は、形成外科専門医として20年以上まぶたの治療を専門に行ってきたDr.簗(やな)由一郎監修のもと、茶クマ(色素沈着によるクマ)についてご説明しますね。

セルフケアでどこまで変えられて、どこから先は変えられないのか。そして、手術で取れるクマと取れないクマの境目はどこにあるのか。私が直接担当していない治療についても、正直にお伝えします。

まず確認|あなたのクマは本当に「茶クマ」ですか

手鏡を見ながら目の下の皮膚を指で外側に引っ張って確かめる女性のイラスト

対処法を考える前に、種類の見極めが必要です。目の下のクマは大きく3つに分かれます。

青クマは、皮膚の下の血管が透けて青黒く見えるものです。寝不足や冷え、疲れで濃くなり、体調によって日ごとに変わります。

黒クマは、目の下の膨らみやくぼみが作る影です。色そのものではなく、凹凸によってできる影なので、光の当たり方で見え方が変わります。

茶クマは、皮膚そのものにメラニンの色素がたまった状態です。色が皮膚に定着しているため、体調や光の加減ではあまり変わりません。

ご自宅でできる、簡単な見分け方

鏡の前で、次の2つを試してみてください。

  • 目の下の皮膚を、指でそっと外側に引っ張る
  • 上を向いて、天井を見上げた状態で鏡を見る

引っ張ったときに色が薄くなるなら、青クマの要素があります。上を向いて薄くなるなら、影による黒クマの要素があります。どちらをしても茶色が動かないなら、それが茶クマです。

ただし、実際には混ざっている方がほとんどです。「茶クマが7割、影が3割」といった具合に重なっているので、ひとつに決めつけないでください。クマのタイプ別の見方は、こちらの記事でも詳しくお伝えしています。

「紫クマ」と呼ばれる状態もあります

目の下の皮膚が薄くなって皮下が透け、赤みや紫っぽさを帯びて見える状態を、紫クマと呼ぶことがあります。青とも茶とも言い切れない見え方になるため、ご自分では判断しにくいところです。

皮膚が薄いことが色の原因になっているので、色素を薄くするケアを続けても変わりにくく、対処の考え方そのものが変わります。鏡を見て「どれにも当てはまらない気がする」と感じたら、一度診察でご相談ください。

茶クマができる仕組み|原因のほとんどは「刺激」です

日差しの下で目をこすっている女性のイラスト

茶クマの正体は、皮膚にたまったメラニン色素です。メラニンは、皮膚が刺激を受けたときに、内部を守るために作られます。つまり茶クマは、目の下が刺激を受け続けてきた記録のようなものです。

刺激の中身は、主に次のものです。

  • こする癖(かゆいとき、眠いとき、メイクを落とすとき)
  • 紫外線(顔の中でも目の下は日焼け止めを塗り忘れやすい場所です)
  • 花粉症やアトピー性皮膚炎による、くり返しの炎症
  • アイメイクやクレンジングによる摩擦
  • 乾燥(皮膚のバリアが弱ると、少しの刺激でも炎症が起きやすくなります)

特に大きいのが、こする癖です。まぶたの皮膚は顔の中でもっとも薄く、厚さはおよそ0.6ミリ。腕や頬と同じ感覚でこすると、それだけで炎症が起きます。

炎症が起きるとメラニンが作られ、色が濃くなる。かゆいのでまたこする。この繰り返しで、年単位かけて色が積み重なっていきます。

花粉症の方に茶クマが多いのは、この仕組みによるものです。目のかゆみを我慢できずにこすってしまう季節が、毎年何ヶ月か続くためです。

セルフケアでできること、できないこと

洗面台に並んだ日焼け止めと保湿クリーム、つばの広い帽子とサングラスのイラスト

ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。線引きをはっきりさせておきます。

セルフケアでできること

いま作られている炎症を止めて、これ以上の色素沈着を防ぐことです。これは十分にできますし、意味があります。

  • こすらない。かゆいときは冷やす、目薬を使うなど、こすらない方法に置き換える
  • メイクを落とすときは、こすらず、なじませて流す
  • 目の下にも日焼け止めを塗る。帽子やサングラスも使う
  • 乾燥させない。保湿でバリアを保つ
  • 花粉症やアレルギーがあるなら、シーズン前から薬で対処してかゆみ自体を抑える

このなかで効果が大きいのは、こする回数を減らすことと、紫外線を避けることです。地味ですが、ここを変えられるかどうかで数年後が変わります。

セルフケアでは難しいこと

すでに定着した色素を、短期間で薄くすることです。

皮膚の細胞は少しずつ入れ替わっていきます。浅いところにある色素は、時間をかけて薄くなる可能性があります。ただし、変化が見えるまでには数ヶ月単位の時間がかかりますし、深いところに落ち込んだ色素は、化粧品のケアだけでは届きません。

「3ヶ月使ったのに変わらない」と落ち込む方がいらっしゃいますが、それは製品が悪いというより、届く深さの問題であることが多いのです。

どのくらい続けたら、見極めればいいのか

目安としては、こする癖と紫外線対策を見直したうえで、3ヶ月から6ヶ月ほど様子を見ていただくとよいと思います。皮膚が入れ替わっていく時間を考えると、それより短い期間で結論を出すのは早すぎます。

見極めのコツは、鏡の印象ではなく写真で比べることです。同じ場所、同じ時間帯、同じ明るさで、正面から撮った写真を並べてみてください。毎日鏡を見ていると、少しずつの変化にはかえって気づけないものです。

半年続けても変化がなく、それでも気になるようであれば、医療機関で相談する段階だと考えていただいてよいと思います。

そして大切なことをひとつ。強くマッサージして色を散らそうとするのは、逆効果です。摩擦が新しい炎症を生み、色を濃くしてしまいます。目の下に触れるときは、押さずに、指の腹でそっと置く程度にしてください。

茶クマに「クマ取り手術」は効きません

診察室で手鏡を持った女性に医師が説明している様子のイラスト

これは誤解が多いところなので、はっきりお伝えします。

目の下のクマの手術として知られている下眼瞼脱脂術(かがんけんだっしじゅつ/経結膜脱脂法)やハムラ法は、いずれも眼窩脂肪(がんかしぼう)の膨らみやくぼみを整える手術です。つまり、影を作っている凹凸に対する治療であって、皮膚の色に対する治療ではありません。

ですから、影の要素がまったくない純粋な茶クマの方が脱脂の手術を受けても、色は残ります。手術を受けたのにクマがある、という相談の一部は、ここのすれ違いから起きています。

混ざっている場合は、分けて考えます

実際には、膨らみによる影と色素沈着が両方ある方が多くいらっしゃいます。その場合、私は「手術で取れる分」と「手術では取れない分」を、診察の時点で分けてご説明します。

たとえば膨らみが強く、その影が濃さの半分以上を作っているなら、脱脂で見た目はかなり変わります。ただ、術後も茶色さは残ります。それを最初にお伝えしないまま手術をすれば、「思ったほど変わらなかった」という結果になってしまいます。

なお下眼瞼脱脂術やハムラ法は自費診療です。腫れや内出血といったダウンタイムがあり、仕上がりや効果の出方には個人差があります。手術を受けたのにクマが残るケースについては、こちらの記事でも触れています。

皮膚の薄さが原因のときは、また別の考え方になります

先ほどお伝えした紫クマのように、皮膚が薄くて皮下が透けていることが色の正体である場合は、色素の治療とも影の治療とも違うアプローチになります。

私が扱う範囲でお伝えすると、経結膜脱脂法(けいけつまくだっしほう)で取り出した脂肪を細かく処理して、皮膚の薄い部分に注入する方法があります。取り出せる脂肪の量は多くないため、ボリュームを大きく足す効果は期待できません。ただ、脂肪に含まれるさまざまな成分の影響で、肌の質感が変わる印象を受けています。

これも自費診療で、腫れなどのダウンタイムがあり、効果の出方には個人差があります。追加で何十万もかかるのであれば躊躇しますが、数万円の追加であれば悪くない方法だと私は考えています。

茶クマの治療として行われているもの

カウンセリングルームで女性がスタッフと向き合って話している様子のイラスト

では、色素沈着そのものにはどんな方法があるのか。ここは私が直接担当していない領域なので、正直にお伝えします。

医療機関で行われているのは、主にレーザーや光を使った治療と、メラニンの生成に働きかける内服薬・外用薬による治療です。いずれも自費診療になり、皮膚科や美容皮膚科が担当します。効果の出方には個人差があり、肌質や色素の深さによって向き不向きがあります。

これらの治療には、共通する性質が2つあります。

ひとつは、1回では終わらないことです。定期的にくり返してメンテナンスしていく前提の治療になります。

もうひとつは、外科手術とは性質が違うということです。外科手術は執刀医によって結果に大きな違いが出ますし、技術が低いと取り返しのつかない合併症を引き起こすことがあります。一方、レーザー治療や内服の美白治療は、一定の基準を満たしていれば大きなリスクはないと私は感じています。

ですから、定期的に続ける必要があるという性質も考えると、比較的安価に提供している大手の美容皮膚科などで受けるのも悪くない選択だと考えています。私は直接担当していませんので、こう申し上げるのが正直なところです。

治療を選ぶときは、次の点を確認していただくとよいと思います。

  • 何回くらい必要で、1回あたりいくらかかるのか
  • 効果が出なかった場合にどうするのか
  • ダウンタイムや、治療後に色が濃くなる時期があるのか
  • 施術するのは医師か、それ以外か

初回のカウンセリングで契約を急かされる場合は、いったん持ち帰ってください。価格だけで飛びつかず、内容をよく理解することが大切です。

Dr.やなが正直にお伝えしていること

私は目元の手術を専門にしていますが、目元の悩みのすべてを手術で解決できるとは考えていません。

茶クマのご相談をいただいたとき、色素沈着が主な原因であれば、その旨をお伝えして、手術はおすすめしません。膨らみが少ない方に脱脂をおすすめすることもありません。高額な手術へのご誘導は一切いたしませんし、必要最小限の治療をご提案するのが私のモットーです。

診察でお伝えしているのは、次の3つです。

  • あなたのクマは、色・影・血管のどれがどれくらい効いているか
  • そのうち、手術で変えられるのはどの部分か
  • 残る部分に対しては、どんな選択肢があるか

私が採用していない治療についても、必要であれば信頼できる医師をご紹介します。自分の守備範囲に無理に引き込むことが、患者さんのためになるとは思わないからです。メリットもデメリットも正直にお伝えするのが、医師として誠実な態度だと考えています。

そのうえでひとつだけ。手術をするかどうかにかかわらず、こする癖と紫外線対策の見直しは、今日から始める価値があります。どんな治療を選んでも、原因が続いていれば色は戻ってくるからです。

よくある質問

茶クマについて、よくいただくご質問にお答えしますね。

目の下だけ色が濃いのは、生まれつきの体質でしょうか

もともと色素が濃く出やすい体質の方はいらっしゃいます。ただ、生まれつきだからどうにもならない、とは限りません。体質に加えて、こする癖や紫外線といった後天的な要素が重なっていることが多いためです。積み重なった分は減らせる可能性があります。診察で、どこまでが体質でどこからが習慣かを一緒に見ていきましょう。

コンシーラーで隠し続けるのは、悪影響がありますか

コンシーラーを使うこと自体が色素沈着の原因になるわけではありません。問題になりやすいのは、落とすときの摩擦です。しっかりカバーするタイプほど落としにくく、こすってしまいがちです。落とすときはなじませて、こすらずに流すことを意識してください。

子どもの目の下が茶色いのですが、同じように考えていいですか

お子さんの目の下の色は、アレルギーによる目のかゆみや鼻づまりに関係していることがあります。こする回数を減らすことが第一で、まずはアレルギーの治療を優先していただくのがよいと思います。美白のケアや医療的な色素治療を考える前に、小児科や耳鼻科、眼科で相談してください。

妊娠中や授乳中でも治療は受けられますか

時期によって受けられる治療とそうでない治療があります。内服薬を使う治療は特に注意が必要です。自己判断で市販薬を使うのも避けてください。まずは刺激を減らすケアで乗り切り、治療の相談は落ち着いてからで構いません。

目の下を温めるとよいと聞きましたが、茶クマにも効きますか

温めると血行がよくなるので、血管が透けて見える青クマには一時的な変化が出ることがあります。ただ、皮膚に定着した色素そのものは、温めても動きません。茶クマに対しては、温めることより刺激を減らすことのほうが優先です。ホットタオルを当てるときも、こすらずにそっと置いてください。

まとめ|色は色の治療で、影は影の治療で

最後に、この記事の要点を整理します。

  • 引っ張っても上を向いても色が変わらないなら、色素沈着による茶クマの可能性が高い
  • 茶クマの主な原因は、こする癖・紫外線・くり返す炎症・摩擦・乾燥
  • セルフケアでできるのは、これ以上増やさないこと。すでに定着した色を短期で消すことは難しい
  • 強いマッサージは新たな炎症を生むので逆効果
  • 脱脂やハムラ法は影と膨らみの手術で、皮膚の色そのものには効かない
  • 色素への治療は自費診療で、くり返しのメンテナンスが前提になる

クマの相談で残念なのは、種類を取り違えたまま、合わない方法にお金と時間をかけてしまうことです。まずは自分のクマが何でできているのかを知るところから始めてください。

効果や経過には個人差があります。ここでお伝えした内容は一般的な目安で、実際の判断には診察が必要です。正確な診断は、形成外科・眼科・皮膚科などの専門医にご相談ください。

目元のお悩みは、どんな小さなことでもかまいません。「手術が必要なのか、そうでないのかだけ知りたい」というご相談も大歓迎です。無理な勧誘はいたしませんので、無料相談フォームからお気軽にお声がけください。

まぶた手術を得意とする形成外科Dr.簗(やな)由一郎

監修:簗 由一郎

形成外科専門医の簗(やな)由一郎です。眼瞼下垂などの「まぶたの手術」を専門に、埼玉・東京の医療機関で診療しています。20年以上の経験と技術で、自然で負担の少ない治療を心がけています。お悩みがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。

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