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【医師監修】目の上のくぼみの原因6つ|眼瞼下垂が隠れているケースと治療の考え方

「最近、目の上がくぼんできて、いつも疲れているように見える」

「目の上のくぼみは、ヒアルロン酸で埋めるしかないのだろうか」

「アイクリームもマッサージも続けているのに、まぶたのくぼみが戻らない」

目の上のくぼみは、鏡を見るたびに気になるのに、原因がわかりにくいお悩みです。「年齢のせいだから仕方ない」と思いながら、何から手をつければよいのか迷っている方が多いのではないでしょうか。

この記事は、形成外科専門医として20年以上まぶたの治療を専門に行ってきたDr.簗(やな)由一郎監修のもと、目の上のくぼみの原因と治療の考え方についてご説明しますね。

くぼみの原因は、6つに分けて考えるとわかりやすくなります。そのなかには、眼瞼下垂(がんけんかすい)というまぶたの病気が隠れているケースがあります。セルフケアでできることとできないこと、原因ごとの治療まで、正直にお伝えします。

目の上のくぼみとは|まぶたの中で何が起きているのか

眉と上まぶたのあいだがくぼんで影になっている目元

目の上のくぼみとは、上まぶたと眉の骨のあいだがへこんで、影ができている状態のことです。医学的には上眼瞼陥凹(じょうがんけんかんおう)と呼ぶことがあります。「まぶたのくぼみ」「上まぶたのくぼみ」と呼ばれているものも、同じ状態を指しています。

上まぶたの皮膚の奥には、眼窩脂肪(がんかしぼう)という脂肪があります。眼球のまわりを包むクッションのような脂肪で、その一部が上まぶたのふくらみを内側から支えています。

この脂肪が減ったり、奥のほうへ引き込まれたりすると、支えを失った皮膚が内側へ落ち込みます。すると眉の骨のすぐ下に影ができ、目の上がくぼんで見えるようになります。

次のような見た目の変化をきっかけに気づく方が多いです。

  • 寝不足でもないのに「疲れている?」と聞かれる
  • 写真に写った自分が、以前より老けて見える
  • 二重の幅が広がった、または二重の線が増えた
  • 眉の下の骨の形が、前よりはっきり見える

同じように見えるくぼみでも、脂肪が減っている方もいれば、脂肪は残っているのに奥へ引き込まれている方もいます。どちらなのかで、向いている対処が変わってきます。

目の上がくぼむ6つの原因

手鏡を見ながら目元を確かめる女性

目の上のくぼみの原因を、6つに分けてご説明しますね。ひとつだけが当てはまるとは限らず、2つ、3つと重なっている方も多くいらっしゃいます。

原因1|加齢で脂肪が減り、皮膚が薄くなる

まず挙げられるのは、年齢による変化です。年齢とともに上まぶたの脂肪のボリュームが減り、皮膚も薄くなってハリが落ちていきます。

ふくらみを支えていたものが減るので、眉の骨の輪郭が浮き出て、その下が影になります。数年かけて少しずつ進むため、昔の写真と見比べてはじめて気づく、ということがよくあります。

原因2|眼瞼下垂でまぶたの奥の脂肪が引き込まれる

見落とされやすいのが、眼瞼下垂です。眼瞼下垂は、まぶたを持ち上げる力がうまく伝わらなくなり、目が開けにくくなる状態をいいます。

まぶたは、眼瞼挙筋(がんけんきょきん)という筋肉が縮むことで持ち上がります。この筋肉の先は挙筋腱膜(きょきんけんまく)という薄い膜になっていて、まぶたの縁につながっています。

この膜がゆるむと、筋肉が縮んでも、力がまぶたの縁まで伝わりにくくなります。そのぶん筋肉はいつもより大きく縮むようになり、まぶたの奥の脂肪が一緒に奥へ引き込まれます。その結果、上まぶたがくぼんで見えるのです。

さらに、目を開けようとして無意識に眉を上げるようになります。眉が上がると上まぶたの皮膚も上へ引っぱられるので、くぼみがより深く見えます。

このタイプは、加齢のほか、ハードコンタクトレンズを長く使っている方に起こりやすいことが知られています。

原因3|生まれつきの骨格や、脂肪の少なさ

眉の骨が前に出ている方、目のまわりの彫りが深い方、もともと上まぶたの脂肪が少ない方は、若いころから目の上がくぼんで見えることがあります。これは顔立ちの特徴で、それ自体は病気ではありません。

見分けるポイントは、以前と比べて変わったかどうかです。10代や20代のころの写真と同じくぼみ方なら、生まれつきの要素が大きいと考えられます。ここ数年で深くなってきたのなら、ほかの原因が重なっている可能性があります。

原因4|急な体重減少や、疲れ・睡眠不足

ダイエットなどで体重が急に減ったあとや、寝不足と疲れが続いたとき、水分が足りていないときにも、目の上のくぼみが目立つことがあります。まぶたは皮膚が薄いぶん、体の状態が見た目に出やすい場所です。

こうしたくぼみは一時的なことがあり、体調が戻ると目立たなくなる場合があります。

原因5|過去に受けたまぶたの手術

以前にまぶたの手術を受けていて、そのときに脂肪を多めに取った場合などに、上まぶたのボリュームが足りなくなってくぼんで見えることがあります。

原因を考えるうえで大切な情報になりますので、いつごろ、どんな手術を受けたのかを、診察のときに教えてください。

原因6|緑内障(りょくないしょう)の点眼薬の影響

緑内障の治療で使われる点眼薬の一部に、プロスタグランジン関連薬と呼ばれる種類があります。この種類の点眼薬を使っている方に、次のような変化が出ることが知られています。

  • 上まぶたがくぼむ
  • まつ毛が伸びる
  • まぶたの皮膚が黒ずむ

くぼみが気になっても、点眼を自己判断でやめないでください。緑内障は、見え方を守るための治療が何より優先です。

気になる変化があるときは、処方してくださっている眼科の先生に、そのまま伝えてください。薬をどうするかは、緑内障の状態を見ながら眼科の先生が判断します。

くぼみに眼瞼下垂が隠れているサイン

眉を上げて目を開け、おでこにシワが寄っている女性

6つの原因のなかで、私が診察でまず確かめるのが眼瞼下垂です。くぼみだけを見て「年齢のせい」「やせたせい」と考えていると、見逃してしまうからです。

次の項目に、当てはまるものがあるか確かめてみてください。

  • 正面を向いたとき、黒目の上のほうにまぶたが深くかかっている
  • 目を開けるときに眉が上がる。おでこにシワが寄る
  • 二重の幅が以前より広くなった。二重の線が増えた
  • 夕方になると、まぶたが重くなる
  • 頭痛や肩こりが続いている
  • ハードコンタクトレンズを長く使っている

当てはまる数が多い方ほど、一度診察を受けていただくことをおすすめします。

なお、まぶたは、もともと黒目の上を1〜2ミリほど覆っているのがふつうです。ひとつめの項目は、それよりも深くかかっているかどうかを見てください。

二重の幅が変わるのは、挙筋腱膜がゆるむと、二重の線を作っている皮膚の折れ目の位置が変わるためです。眉が上がるのは、まぶたを開ける力の不足をおでこの筋肉で補っているためで、これが一日じゅう続くと、頭痛や肩こりにつながることがあります。

鏡を使ってご自宅でできる確認のしかたは、こちらの記事にまとめています。

急いで受診していただきたいサイン

ゆっくり進んできたくぼみとは別に、早めに眼科を受診していただきたいケースがあります。

  • 片目だけ、急にくぼんできた
  • 目そのものが、奥に引っ込んだように見える
  • 物が二重に見える
  • 顔や目のまわりをぶつけたあとから、くぼみが気になりだした

これらは、まぶたの脂肪や皮膚の変化ではなく、目の奥で別のことが起きているサインかもしれません。様子を見ずに、早めに眼科で診てもらってください。

目の上のくぼみにセルフケアでできること、できないこと

指の腹でやさしく目元を保湿する女性

ここは期待を持たせすぎないよう、線引きをはっきりさせておきますね。

セルフケアでできること

セルフケアでできるのは、くぼみをこれ以上深く見せないことと、一時的なくぼみを長引かせないことです。

  • こすらない。クレンジングや洗顔のときも、まぶたには指の腹でそっと触れる
  • 保湿をして、薄い皮膚を乾燥から守る
  • 睡眠と食事、水分を整えて、体調を戻す
  • メイクで影をやわらげる

メイクでは、くぼんだ部分に肌よりやや明るい色をのせると、影が目立ちにくくなります。

体調が戻ってもくぼみが変わらない、あるいは少しずつ深くなっているなら、セルフケアで待つ段階は過ぎていると考えてください。

セルフケアでは変えられないこと

減ってしまった脂肪は、マッサージやアイクリームでは戻りません。ゆるんでしまった挙筋腱膜も、自分の力で元どおりに締まることは期待しにくいものです。

強いマッサージやこする刺激は、薄いまぶたの皮膚をたるませ、色素沈着のもとになります。まぶたに触れるときは、押さずに、指の腹でそっと置く程度にしてください。

目の上のくぼみの治療|原因によって方法が変わります

診察室で目元の状態を見ながら説明する医師と患者

目の上のくぼみを改善する方法は、原因によって変わります。順にご説明しますね。

眼瞼下垂が原因のとき

眼瞼下垂が原因でくぼんでいる場合は、まず眼瞼下垂の治療を考えます。代表的な手術が、保険適用になることが多い挙筋前転法(きょきんぜんてんほう)です。ゆるんだ挙筋腱膜を縫い縮めて固定し直し、まぶたを開ける力を取り戻す手術で、局所麻酔・日帰りで行います。

保険適用になることが多いのは、まぶたで視野がさえぎられるなど、機能的な症状がある場合です。保険適用(3割負担)の眼瞼下垂手術は、両目で3〜5万円程度が目安になります。

まぶたを開ける力が戻ると、眉を上げて目を開ける癖が減り、その結果としてくぼみが目立ちにくくなる方がいます。

ただし、ここは正直にお伝えしておきます。挙筋前転法は目を開けやすくするための手術で、くぼみを消すための手術ではありません。手術のあともくぼみが残ることがありますし、変化の出方には個人差があります。

手術である以上、腫れや内出血が1〜2週間ほど出るのが一般的で、左右差が残るなどのリスクもあります。挙筋前転法のデメリットは、こちらの記事で8つに分けて正直にお伝えしています。

ボリュームが足りないことが原因のとき

脂肪が減ってボリュームが足りないことが主な原因の場合、一般には、くぼんだ部分にボリュームを足す方法が行われています。代表的なのが、ヒアルロン酸注入と、ご自身の脂肪を使う脂肪注入で、どちらも自費診療です。

ただ、上まぶたは顔の中でも皮膚が薄い場所です。注入したものの形が表面に出やすく、次のようなことが起こる場合があります。

  • 表面がでこぼこして見える
  • しこりのように触れる
  • 入れすぎて、まぶたが重くなる
  • 注射による腫れや内出血が出る

効果には個人差があります。費用は施術内容や施設によって変わりますので、受ける前に、必要な回数や金額、思ったとおりにならなかったときの対応まで確認してください。

そのうえで、私自身の立場をお伝えしておきます。ヒアルロン酸も悪くはない方法だと思っているのですが、異物を体内に注入するということに、私はどうしても抵抗があります。そのため、私はヒアルロン酸注入を採用していません。

ご相談があれば、信頼できる先生をご紹介します。

皮膚のたるみも重なっているとき

くぼみと一緒に、上まぶたの皮膚がたるんでかぶさっている方もいらっしゃいます。その場合は、眉下切開法(まゆしたせっかいほう・場合により保険適用)などを組み合わせて考えることがあります。

眉下切開法は、眉のすぐ下から余分な皮膚を取り除く手術です。傷跡は眉に隠れやすい位置にできますが、腫れや内出血が出て、傷の赤みが落ち着くまでには時間がかかります。

これも、くぼみにボリュームを足す手術ではありません。何を優先してどこまで整えるかは、まぶたの状態を見ながら一緒に決めていきます。

Dr.やなが診察でお伝えしていること

目の上のくぼみについては、「埋めてほしい」というご相談をよくいただきます。けれども私は、埋める話に入る前に、眼瞼下垂が隠れていないかを確かめることにしています。

眼瞼下垂が原因のくぼみに、原因をそのままにしてボリュームだけを足しても、目の開けにくさや眉を上げる癖は残るからです。

診察では、次のことを順にお伝えしています。

  • あなたのくぼみに、6つの原因のうちどれが関わっていそうか
  • 眼瞼下垂が隠れているかどうか。保険適用を検討できる状態かどうか
  • 治療で変わりそうな部分と、残りそうな部分
  • 私が採用していない治療が合いそうな場合は、その旨と、信頼できる医師のご紹介

視野がさえぎられる、まぶたが重くて疲れるといった機能的な症状がある方には、保険適用を先に検討します。高額な治療へのご誘導は一切行いません。保険適用の手術でも、形成外科医として形にこだわりたいと考えています。

メリットもデメリットも正直にお伝えしたうえで、納得して選んでいただくことが、医師として誠実な態度だと考えています。

よくある質問

目の上のくぼみについて、よくいただくご質問にお答えしますね。

片目だけくぼんでいるのですが、大丈夫でしょうか

顔はもともと左右対称ではないので、くぼみ方に左右差があること自体は珍しくありません。眼瞼下垂が片側に強く出ていて、そちらだけ深く見えている場合もあります。

以前からゆっくり進んできた左右差であれば、急を要することは少ないのですが、原因は自己判断しにくいので、診察で確認させてください。一方で、片目だけ急にくぼんできた場合は、先ほどの「急いで受診していただきたいサイン」に当たりますので、早めに眼科を受診してください。

若いのに目の上がくぼんでいます。病気でしょうか

10代や20代のころから同じようにくぼんでいるのであれば、骨格や脂肪の少なさによる、生まれつきの特徴であることが多いです。それ自体は病気ではありませんので、ご安心ください。

ただ、若い方でも、ハードコンタクトレンズを長く使っている方や、目をこする癖のある方には、眼瞼下垂が起こることがあります。以前より深くなってきた、目が開けにくくなってきたと感じるなら、年齢にかかわらず一度ご相談ください。

眼瞼下垂の手術を受ければ、くぼみも一緒に変わりますか

変わる方もいれば、あまり変わらない方もいます。まぶたを開ける力が戻って眉を上げる癖が減ると、くぼみが目立ちにくくなる方がいる一方で、手術のあともくぼみが残ることがあります。

目の開けにくさを改善するための手術として考えていただき、くぼみの変化はその結果のひとつ、と受け止めていただくのがよいと思います。

まず何科に相談すればよいですか

緑内障の点眼薬を使っている方と、先ほどの急いで受診していただきたいサインがある方は、まず眼科です。まぶたの開けにくさや二重の変化もあって、治療や仕上がりの形まで相談したい場合は、形成外科(まぶたを専門にしている医師)が選択肢になります。

迷ったら、どちらで相談していただいても大丈夫です。眼科と形成外科の違いと選び方は、こちらの記事で詳しくお伝えしています。

まとめ|くぼみを埋める前に、原因を確かめる

最後に、この記事の要点を整理します。

  • 目の上のくぼみは、上まぶたの奥の脂肪が減る、または奥へ引き込まれることで起こる
  • 原因は、加齢、眼瞼下垂、生まれつきの骨格、体調による一時的なもの、過去の手術、緑内障の点眼薬の6つ
  • 二重の幅が広がった、眉が上がる、夕方に重いといったサインがあれば、眼瞼下垂が隠れている可能性がある
  • マッサージやアイクリームで、減った脂肪は戻らない。強くこする刺激は逆効果になる
  • 眼瞼下垂が原因なら挙筋前転法(保険適用になることが多い)。ただし、くぼみが残ることもある
  • ヒアルロン酸注入や脂肪注入は自費診療。点眼薬は自己判断でやめず、眼科の先生に相談する

足りないものを足す前に、なぜくぼんだのかを確かめる。遠回りに見えて、それがいちばん無駄のない順番だと私は考えています。

効果や経過には個人差があります。ここでお伝えした内容は一般的な目安で、実際の判断には診察が必要です。正確な診断は、形成外科・眼科などの専門医にご相談ください。

まぶたのお悩みは、どんな小さなことでもかまいません。「このくぼみに眼瞼下垂が関係しているのかだけ知りたい」というご相談も大歓迎です。無理な勧誘はいたしませんので、無料相談フォームからお気軽にお声がけください。

まぶた手術を得意とする形成外科Dr.簗(やな)由一郎

監修:簗 由一郎

形成外科専門医の簗(やな)由一郎です。眼瞼下垂などの「まぶたの手術」を専門に、埼玉・東京の医療機関で診療しています。20年以上の経験と技術で、自然で負担の少ない治療を心がけています。お悩みがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。

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形成外科専門医Dr.やなが運営する、まぶた・目の下のたるみ・クマ・眼瞼下垂治療の専門WEBメディア。埼玉・東京・茨城の10院以上で、目の下のたるみ取り・クマ取り・眼瞼下垂手術を専門に保険適用で治療します。自費の場合も、なるべく負担のないように低価格で医療をご提供したいと思い、まぶたの悩み専門メディアを立ち上げました。