「眉下切開を受けたいけれど、何日休めば人に会えるのかがわからない」
「腫れや内出血は、どのくらい目立つのだろう」
「眉のあたりがつっぱると聞いた。それはいつまで続くの?」
手術そのものより、そのあとの見通しが立たないことのほうが不安。そうおっしゃる方は多いです。お仕事やご家族の予定を抱えている年代であれば、なおさらだと思います。
この記事は、形成外科専門医として20年以上まぶたの治療を専門に行ってきたDr.簗(やな)由一郎監修のもと、眉下切開のダウンタイムについてご説明しますね。
腫れ・内出血・つっぱり感が、手術当日から6か月までにどう変わっていくのか。眉下切開の術後の経過を日別に追いながら、長引きやすいケース、過ごし方、早めに連絡してほしい症状までお伝えします。
も く じ
Toggle眉下切開のダウンタイムは「腫れ・内出血・つっぱり感」の3つで考えます

眉下切開法(まゆしたせっかいほう)は、眉毛の下の縁に沿って皮膚を切り取り、上まぶたにかぶさった皮膚を引き上げる手術です。局所麻酔で行う日帰りの手術で、時間は30〜60分ほどが目安になります。
まぶたそのものは切らないので、二重のラインや目の形が変わりにくいのが特長です。目元の印象はそのままに、かぶさりだけを軽くしたい方に向いています。
保険が使えるかどうかは、手術の目的で分かれます。かぶさった皮膚で視野がさえぎられているなど、機能的な症状がある場合は保険適用になることがあります。見た目の改善が目的であれば自費診療です。
ただし、眉下切開を保険で扱うかどうかは施設によっても異なります。ご自分がどちらに当たるのかは、診察で確認してください。保険適用の条件については、こちらの記事で詳しくお伝えしています。
保険でも自費でも、手術である以上リスクはあります。腫れや内出血のほか、傷跡が目立つ、左右差が出る、眉のあたりの感覚が鈍くなる、感染する、傷の中に血がたまる、目が閉じにくくなる、といったことが起こりえます。効果や経過には個人差があります。
3つに分けると、予定が立てやすくなります
ダウンタイムとは、手術のあと腫れなどが落ち着いて、普段の生活に戻るまでの期間のことです。眉下切開のダウンタイムを「何日」とひとことで答えにくいのは、落ち着くまでの長さが違うものが混ざっているからです。
私は、次の3つに分けてお話ししています。
- 腫れ:翌日〜3日目がピーク。1〜2週間で大きな腫れは落ち着く方が多い
- 内出血:出る方と出ない方がいる。出た場合は1〜2週間で薄くなる
- つっぱり感と、眉のあたりの感覚の鈍さ:数週間〜数か月かけて和らぐ
人に会えるかどうかを左右するのは、腫れと内出血です。眉下切開はまぶたそのものを切らないぶん、腫れが比較的軽く済む方が多い手術ですが、腫れない手術ではありません。
つっぱり感は、皮膚を切り取って縫い合わせたことで起こります。見た目には出ませんが、眉を上げたときや目を強く閉じたときに、傷のあたりが引っぱられるように感じます。
全体の目安は、見た目が落ち着くまでの1〜2週間と、感覚や傷がなじむまでの数か月です。この2段階で考えていただくと、予定が組みやすくなります。
眉下切開の経過を日別に|当日から6か月まで

ここからは、時期ごとに「見た目」「感覚」「できること」を順にお伝えしますね。日数はどれも一般的な目安で、体質や手術の範囲によって前後します。担当の医師から指示がある場合は、そちらを優先してください。
当日〜3日目|腫れがいちばん強い時期
手術の直後は、眉の下に細い糸で縫った線が見えます。傷を守るテープが貼られていることもあります。
麻酔が効いているあいだは、眉のまわりの感覚がぼんやりしています。麻酔が切れるとジンジンとした痛みが出ますが、処方された痛み止めで和らぐ程度のことが多いです。
腫れは手術当日よりも、翌日から3日目にかけて強くなります。眉の下からまぶたにかけて重たくなり、朝起きたときがいちばん腫れて見えます。ここが折り返し地点ですので、ご安心ください。
この時期にできることは、次のとおりです。
- 洗顔は当日から。傷は濡らさず、眉と目のまわりを避けてやさしく洗う
- シャワーは翌日から。当日の湯船は控える
- 散歩や軽い家事は翌日から。力を入れる動作は2〜3日控えめにする
- 傷以外の部分のメイクは、翌日から可能な場合が多い
手術当日は、ご自分で車を運転して帰るのは避けてください。送迎か公共交通機関を前もって手配しておくと安心です。
4日目〜1週間|腫れが引きはじめ、抜糸を迎える
ピークを越えると、腫れは日ごとに引いていきます。
内出血が出た方は、色の変化に気づく時期です。内出血は、紫色から緑がかった色、そして黄色へと変わりながら薄くなっていきます。色が変わるのは、にじんだ血が体に吸収されている途中だからです。
もうひとつ知っておいていただきたいのが、内出血は重力で下へ移動するということです。眉の下にあった色が、数日たって上まぶたや目の下に出てくることがあります。広がったように見えますが、悪化しているわけではありません。
抜糸(ばっし)は術後1週間前後に行います。施設や傷の状態によって、5〜10日ほどの幅があります。
糸がなくなると見た目の違和感が減り、傷の部分のメイクもできるようになります。始める日は、傷を見た医師の指示に従ってください。
お仕事は、デスクワークであれば抜糸を待たずに数日で戻る方が多いです。人と近い距離で接するお仕事は、抜糸のあとのほうが安心だと思います。
2週間|人に会う予定を入れやすくなる
大きな腫れは、1〜2週間で落ち着く方が多いです。内出血も黄色っぽく薄くなり、メイクで隠せる程度になってきます。
ただ、朝のほうがむくんで見える、左右で引き方が違う、といった細かな差はまだ残ります。鏡を見て気になっても、この段階で仕上がりを判断しないでください。
感覚の面では、つっぱり感がまだ続いています。洗顔で目を閉じたとき、驚いて眉を上げたときに、傷のあたりが引っぱられるように感じる方が多いです。
心拍数が上がる運動やお酒は、少なくとも1週間、できれば2週間ほど控えていただくと、腫れが長引きにくくなります。
1か月|むくみは引くが、傷の赤みが気になりやすい
1か月たつ頃には、腫れは気にならなくなる方が多いです。朝のむくみ感だけが残る方もいらっしゃいます。
一方で、この時期に目立ちやすいのが傷の赤みです。術後1か月頃は、傷が赤く盛り上がった線のように見えることがあります。傷がふさがっていく過程で一時的に起こるもので、メイクでカバーできる程度のことが多いです。
傷の赤みは、3〜6か月かけて落ち着いていきます。傷跡の経過や職種ごとの復帰の目安は、こちらの記事で詳しくお伝えしています。
つっぱり感は、この頃から少しずつ軽くなっていきます。眉のあたりを触ると感覚が鈍い、という状態は、まだ残っていてもおかしくありません。
この頃には、普段どおりの生活に戻っている方がほとんどです。傷をこすらないことと、紫外線を避けることだけは続けてください。
3〜6か月|つっぱり感と感覚がなじんでいく
3か月を過ぎると、つっぱり感を意識する場面は減っていく方が多いです。眉のあたりの感覚の鈍さも、数か月かけて少しずつ戻っていきます。
傷の赤みが薄れ、白っぽい細い線として眉の下になじんでくるのもこの時期です。仕上がりを判断するのは、ここまで待ってからにしてください。
回復の速さには個人差があります。半年たっても感覚の戻りが遅いと感じるときは、診察のときに遠慮なくお伝えください。
腫れ・内出血が出やすい人、長引きやすいケース

同じ手術を受けても、腫れや内出血の出方には差があります。体質による部分もありますが、あらかじめわかっている要因もあります。
- 血液をサラサラにする薬を飲んでいる
- 血圧が高い
- 術後の早い時期に、飲酒・長風呂・激しい運動をした
- うつむいた姿勢を長い時間続けた
- タバコを吸っている
- 傷をこする、何度も触る
このなかで、手術の前にお伝えいただきたいのが薬のことです。血液をサラサラにする薬を飲んでいる方は内出血が出やすくなりますが、自己判断で中止しないでください。
薬を止めることのほうが、体にとって危険な場合があります。処方した医師と執刀医の両方に相談して決めましょう。
血圧が高い方は、術後に血圧が上がると出血しやすくなります。血圧の薬を飲んでいる方は、手術当日の飲み方も含めて、事前に医師へ確認してください。
飲酒・長風呂・激しい運動に共通するのは、血のめぐりを一気に上げることです。引きはじめた腫れが戻ったり、内出血が広がったりすることがあります。
うつむいた姿勢は、顔に血が下がってむくみやすくなります。床の拭き掃除や草むしりのように、頭を下げたまま続ける作業は後回しにしてください。
タバコは血管を縮めて、傷に届く酸素や栄養を減らします。腫れよりも、傷の回復のほうに響きます。傷跡が長引きやすい体質や持病については、先ほどご紹介した傷跡の記事にまとめていますので、ここでは省きますね。
ダウンタイムを長引かせない過ごし方

ご自身でできることは、派手なものではありません。最初の数日をていねいに過ごす。それだけで差が出ます。
- 術後2〜3日は、保冷剤をタオルで包んで冷やす
- 寝るときは枕を高めにして、頭を心臓より上にする
- 処方された薬は、指示どおりに使う
- 傷をこすらない。かさぶたをはがさない
- 傷に紫外線を当てない
冷やし方にはコツがあります。保冷剤は直接肌に当てず、薄いタオルで包んで、眉の下からまぶたにかけてそっと当ててください。
20分ほど当てたら同じくらい休む、という短時間のくり返しで十分です。押しつけたり、冷やしすぎたりする必要はありません。
冷やすのが役に立つのは、腫れが強く出る最初の2〜3日が中心です。それ以降も冷やし続けると、かえって血のめぐりが悪くなり、回復を妨げることがあります。
洗顔のときは傷をこすらず、タオルは押し当てて水分を取ります。かゆみが出ても、かさぶたは自然に取れるのを待ってください。
紫外線は、傷に色素沈着を残す原因になります。日焼け止めは医師の許可が出てから使い、外出のときは帽子やサングラスも活用してください。
まぶたの手術後の洗顔・入浴・運動・飲酒の再開の目安は、こちらの記事で動作ごとにまとめています。
こんな症状は、早めに連絡してください

腫れや内出血の多くは、回復の途中で見られる自然な経過です。ただし、次のような症状があるときは、予定の診察日を待たずに、手術を受けた施設へ連絡してください。
- 片側だけが急に強く腫れて、痛みが増してきた
- 傷のまわりの赤みや熱っぽさが広がる、膿(うみ)が出る
- 傷が開いた
- 目が閉じにくい状態が続く
- 見え方がおかしい
片側だけ急に腫れて痛みが増すときは、傷の中で出血がたまっている可能性があります。赤み・熱っぽさ・膿は、感染のサインかもしれません。どちらも早めの処置が必要になることがあります。
目の閉じにくさは、腫れやつっぱりのために、術後しばらく感じる方がいます。腫れが引くにつれて和らぐことが多いのですが、続くときや、目の乾き・痛みがあるときはご相談ください。
このくらいで連絡していいのだろうか、と迷う段階で連絡していただいてかまいません。何もなければ、それで安心できます。
Dr.やなの眉下切開|内出血と傷跡を最小限にするために
眉下切開のいちばんのポイントは、傷跡を目立たなくさせることだと私は考えています。そのために手術で考えているのが、次の点です。
- 皮膚の表面を縫う前に、皮下縫合(ひかほうごう)で皮膚がなるべく合わさった状態にする
- 内出血を最小限にする工夫をする
- しっかりまぶたが開くように、眼輪筋(がんりんきん)をタッキングする
- 内側の斜めジワが目立たないように、ローテーション縫合を行う
- 毛包(もうほう)を温存する斜め切開にする
皮下縫合は、皮膚の内側を先に縫い合わせておく基本的な手技です。先に内側で合わせておくと、皮膚の表面にかかる緊張が最小限になります。傷跡が広がるのを予防し、目立ちにくい傷跡につながります。
眼輪筋は目のまわりを囲む筋肉で、タッキングはそれを縫い寄せて留める処理のことです。毛包は、眉毛の根元を包んでいる組織を指します。皮膚を切り取るだけの手術に見えるかもしれませんが、まぶたの開きやすさやシワの出方まで考えて組み立てています。
眉下切開は、機能的な症状があれば保険適用になることがある手術です。保険適用でも、形成外科医として傷跡にこだわりたいと考えています。
ダウンタイムについても、良い面だけをお伝えすることはしません。大事な予定が近い方には、手術の時期をずらすご提案をすることもあります。高額な手術へのご誘導は一切行いませんので、ご安心ください。
よくある質問
眉下切開のダウンタイムについて、よくいただくご質問にお答えしますね。
眼鏡やサングラスで隠せますか
隠しやすい手術です。傷が眉の下にあるので、フレームが太めの眼鏡や大きめのサングラスをかけると、傷と腫れの両方が目立ちにくくなります。フレームが傷に当たらない形を選び、かけ外しのときに傷をこすらないよう気をつけてください。
眉メイクや、眉のアートメイクはいつからできますか
眉を描くメイクは傷の上に重なるので、抜糸のあとからが目安です。アートメイクは皮膚に針を入れる施術ですから、傷の赤みが落ち着くまで待ち、時期は診察で確認してください。すでにアートメイクが入っている方は、切る位置を決めるときに関わりますので、カウンセリングで教えてください。
左右で腫れ方が違うのですが、大丈夫でしょうか
腫れや内出血の出方は、左右でそろわないことがよくあります。片方だけ内出血が出る、片方だけ引くのが遅い、ということも珍しくなく、腫れが引くにつれて差は小さくなっていくことが多いです。ただし、片側だけが急に強く腫れて痛みが増すときは、早めにご連絡ください。
眉のあたりの感覚が鈍いのは、いつまで続きますか
皮膚を切るときに、表面近くの細かな感覚の神経も一緒に切れるために起こるもので、数週間から数か月かけて少しずつ和らいでいく方が多いです。日ごとの変化はわかりにくいので、月単位で比べてみてください。戻り方に不安があるときは、診察でお伝えください。
大事な予定があります。何週間あければよいですか
腫れと内出血だけを考えるなら、2週間はあけていただきたいところです。ただ、傷の赤みは術後1か月頃に目立ちやすいので、写真に残る予定や近い距離で顔を見られる予定は、メイクでカバーする前提で考えてください。期間が取れないときは、予定のあとに手術を回すことも考えてください。
まとめ|眉下切開のダウンタイムは「2週間」と「数か月」の2段階で考える
最後に、この記事の要点を整理します。
- 眉下切開のダウンタイムは、腫れ・内出血・つっぱり感の3つに分けて考える
- 腫れは翌日〜3日目がピークで、1〜2週間で大きな腫れは落ち着く方が多い
- 内出血は紫から緑がかった色、黄色へと変わり、1〜2週間で薄くなる。下へ移動して見えるのは悪化ではない
- 抜糸は術後1週間前後。傷の部分のメイクはそのあとから
- つっぱり感と感覚の鈍さ、傷の赤みは、数か月かけてなじんでいく
- 片側だけの急な腫れと痛み、赤み・熱っぽさ・膿、見え方の異常は、早めに連絡する
眉下切開の術後の経過は、人に会えるようになるまでの2週間と、感覚や傷がなじむまでの数か月に分けて見ると、慌てずに過ごせます。
効果や経過には個人差があります。ここでお伝えした日数は一般的な目安で、実際の経過は手術の内容や体質によって変わります。正確な診断は、形成外科・眼科などの専門医にご相談ください。
まぶたのお悩みは、どんな小さなことでもかまいません。「予定までに間に合うかだけ知りたい」というご相談も大歓迎です。無理な勧誘はいたしませんので、無料相談フォームからお気軽にお声がけください。



