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【医師監修】朝だけまぶたが腫れぼったいのはなぜ?むくみ・たるみ・眼瞼下垂の見分け方

「朝起きると、まぶたがぼてっと腫れている」

「昼には戻るけれど、最近は夕方まで重い気がする」

「これはむくみなの? それとも、たるみが始まっているの?」

鏡の前でこう思ったことがある方は、多いのではないでしょうか。腫れぼったいまぶたは、その日一日の気分まで左右してしまいます。

この記事は、形成外科専門医として20年以上まぶたの治療を専門に行ってきたDr.簗(やな)由一郎監修のもと、朝のまぶたの腫れぼったさについてご説明しますね。

なぜまぶたはむくみやすいのか、一晩で戻るむくみと戻らない変化はどう違うのか、そして受診を考えたほうがいいサインはどこにあるのかを、順にお伝えします。

なぜ、まぶたは体の中でいちばんむくみやすいのか

朝、起き上がってまぶたに指を当てている女性のイラスト

同じようにむくむなら、頬や額でもよさそうなものです。それなのに、朝いちばんに変化が出るのはたいていまぶたです。理由が3つあります。

ひとつめは、まぶたの皮膚が顔の中でもっとも薄いことです。厚さはおよそ0.6ミリほどしかありません。わずかな水分の増減でも、見た目に出やすい場所なのです。

ふたつめは、皮膚の下の組織がやわらかく、すき間が多いことです。まぶたは一日に1万5000回から2万回もまばたきをするため、皮膚が自由に動けるようにゆるく作られています。そのゆるさが、水分をため込みやすくしています。

みっつめが、寝ている間の姿勢です。立っているときは重力で下半身にたまりやすい水分が、横になると体の上のほうへ戻ります。顔に水分が集まった状態で朝を迎えるので、まぶたにむくみが出やすくなります。

朝のまぶたのむくみは、多くの場合、起きてから体を起こして動いているうちに引いていきます。しばらくすると水分が下へ戻っていくためです。

一晩で戻るむくみの主な原因

テーブルに並んだラーメンの丼・漬物の小鉢・お酒のイラスト

「昼には戻る」むくみであれば、原因は生活のなかにあることがほとんどです。心当たりを探してみてください。

塩分とアルコール

前日の食事の塩分が多いと、体は水分をため込んで塩分の濃度を薄めようとします。ラーメン、鍋、漬物、加工食品が続いた翌朝は、むくみが出やすくなります。

お酒も影響します。アルコールには血管を広げる作用があり、水分が血管の外へしみ出しやすくなります。飲んだあとに水分を多く摂ることも重なって、翌朝のまぶたに出てきます。

睡眠不足と、寝るときの姿勢

睡眠が足りないと、体の水分バランスを整える働きが乱れます。夜更かしした翌朝にまぶたが腫れるのは、よくあることです。

姿勢も関係します。うつ伏せや、顔を枕に押しつけた横向きの姿勢で眠ると、その側のまぶたに水分がたまりやすくなります。片方だけ腫れて見える朝は、寝ていた向きを思い出してみてください。枕を少し高くして仰向けで眠ると、まぶたの水分は下へ戻りやすくなります。

泣いた翌朝、目をこすった翌朝

泣いたあとは、涙とともに目のまわりの血流が増えて、まぶたが腫れます。これは翌朝まで残ることがあります。

かゆくて目をこすった翌朝も同じです。こする刺激で炎症が起き、水分がしみ出します。花粉症やアレルギーのある方は、この形のむくみをくり返しやすくなります。

冷えと血行の悪さ

体が冷えて血行が滞ると、余分な水分が回収されにくくなります。冬場や、冷房の効いた部屋で長く過ごす季節に、むくみを感じやすくなるのはこのためです。

体調の波でも変わります

女性の場合、月経前の時期にむくみやすくなる方がいらっしゃいます。体が水分をため込みやすくなる時期があるためです。毎月だいたい同じ時期に腫れぼったい、という規則性があるなら、体調の波と重なっている可能性があります。

この場合は、まぶただけを何とかしようとするより、その時期は塩分と睡眠を意識しておく、という付き合い方のほうが現実的だと思います。

「むくみ」なのか「たるみ」なのか「眼瞼下垂」なのか

手鏡で自分のまぶたを確かめる女性と、傍らの数年前の写真立てのイラスト

ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。腫れぼったさの正体は、大きく3つに分かれます。見分けの手がかりは時間の使い方にあります。

むくみは、時間とともに戻ります。朝がいちばん強く、昼から夕方にかけて軽くなります。日によって強い朝と軽い朝があり、前日の食事や睡眠と連動します。

たるみは、時間で戻りません。上まぶたの皮膚そのものが余ってきた状態なので、一日中同じように重く、年単位でゆっくり進みます。何年か前の写真と比べると違いがはっきりします。

眼瞼下垂(がんけんかすい)は、まぶたを持ち上げる力そのものが弱くなった状態です。皮膚の問題ではなく、まぶたを開ける仕組みの問題です。朝より夕方のほうが重くなる方が多く、目が小さくなった、視界の上が狭い、といった訴えが加わります。

次のような点に多く当てはまるほど、むくみだけでは説明がつかない可能性が高くなります。

  • 昼を過ぎても腫れぼったさが変わらない
  • 前日の食事やお酒に関係なく、毎日同じように重い
  • 数年前の写真と比べて、まぶたの見え方が明らかに違う
  • 額に力を入れたり、あごを上げたりして見ている
  • 二重の幅が狭くなった、または二重の線が消えた
  • 目が開けにくく、夕方になると特に重い
  • 視界の上のほうが狭く感じる
  • 肩こりや頭痛が慢性的にある

写真で確かめると、はっきりします

自分の顔は毎日見ているので、少しずつの変化には気づけません。手元にある写真を使うと、判断がぐっと楽になります。

同じくらいの距離から、正面を向いて、目を自然に開いた状態で撮った写真を、数年前のものと並べてみてください。見るところは3つです。黒目の上のふちがどこまでまぶたに隠れているか、二重の線が同じ位置にあるか、そして眉の位置が上がっていないか。

眉が上がっているのは、まぶたの重さを額の力で補っているサインです。ご本人は無意識にやっているので、写真で見て初めて気づく方が多いところです。

たるみと眼瞼下垂の違いについては、こちらの記事で詳しくお伝えしています。

まぶたを持ち上げる力が落ちているかどうかは、ご自宅でもある程度確認できます。セルフチェックの方法はこちらにまとめました。

むくみではない病気が隠れているサイン

内科の診察室で医師に相談している女性のイラスト

まぶたのむくみは、体からのお知らせであることがあります。形成外科の範囲を越える病気が隠れていることもあるので、ここは正直にお伝えしておきます。

次のような症状があるときは、まぶたの治療より先に、内科や眼科で調べていただきたい状態です。

  • まぶただけでなく、脚やすねもむくむ。靴下のあとが深く残る
  • 数日で急に体重が増えた
  • 尿の量が減った、尿が泡立つようになった
  • だるさ、寒がり、髪が抜ける、体重が増えた、といった変化が重なっている
  • 動悸や息切れがある
  • 片方のまぶただけが赤く腫れて、熱をもって痛む
  • まぶたにしこりがあり、日に日に大きくなる
  • 唇や舌も同時に腫れる、息苦しさがある

腎臓や甲状腺の働きが落ちているとき、まぶたのむくみが最初のサインとして出ることがあります。片側だけが赤く熱をもって痛む場合は、感染が起きている可能性があります。唇や舌の腫れ、息苦しさをともなうときは、急を要する状態のこともあるため、その場ですぐに医療機関を受診してください

こうした症状があるときに、自己判断でマッサージや温冷ケアを続けても解決しません。まずは原因を調べることが先です。

今朝からできる対処と、やらないほうがいいこと

朝の洗面台で冷たいタオルをまぶたに当てている女性のイラスト

一時的なむくみであれば、ご自宅でできることがあります。無理のない範囲で試してみてください。

  • 起きたら体を起こし、少し歩く。水分が下へ戻りやすくなります
  • 冷たいタオルや保冷剤をタオルで包んで、まぶたにそっと当てる(10秒ほど当てて離す、をくり返す程度で十分です)
  • 蒸しタオルで温めてから冷やす、を1回だけ行う
  • 枕を少し高くして、仰向けで眠る
  • 前日の塩分を控える。野菜や果物、いも類からカリウムを摂る
  • お酒を飲んだ日は、寝る前にコップ1杯の水を飲む
  • 花粉症やアレルギーがある時期は、早めに薬で対処してかゆみを抑える

反対に、やらないほうがいいこともあります。腫れを早く引かせたい気持ちから、強くこすってしまう方が多いのですが、これは逆効果です。

まぶたを強くマッサージしたり、指で押し流したりすると、薄い皮膚に負担がかかり、かえって炎症やむくみを長引かせます。長い目で見ると、こする癖は皮膚のたるみや色素沈着の原因にもなります。ケアするときは、押さずに触れる程度にとどめてください。

かゆみがあるときにステロイドの塗り薬を自己判断で目のまわりに使うのも避けてください。まぶたの皮膚は薄く、市販薬でも影響が出やすい場所です。

時間のない朝の、現実的な順番

支度をしながらできることを、順番にしておきます。起きたらカーテンを開けて体を起こす。顔を洗うとき、最後の水を少し冷たくする。支度の合間に、冷たいタオルを10秒ほど当てる。

この3つを流れに組み込んでしまえば、ケアのための時間を別に取らずに済みます。温めてから冷やすと切り替わりが早いのですが、時間がなければ冷やすだけで十分です。

そして身も蓋もない話ですが、前の晩に塩分とお酒を控えておくほうが、朝の10分より効きます。

Dr.やなが診察で見ているところ

まぶたが腫れぼったいというご相談をいただくと、私はまず、時間による変化を伺います。朝と夕方でどう違うか、休日と平日で違うか。ここでむくみと構造の変化がかなり分かれます。

次に、実際にまぶたを触らせていただいて、皮膚の余り具合、まぶたを持ち上げる力、二重の線の位置を確認します。むくみだけであれば手術は必要ありません。生活の見直しでよくなる方に、手術をおすすめすることはありません。

高額な手術へのご誘導は一切いたしません。本当に必要な治療を、適正な料金で受けていただくことが何より重要だと考えています。

腫れの原因が体の内側にありそうだと判断したときは、まぶたの治療を進める前に、内科や眼科での検査をおすすめしています。まぶたは専門ですが、まぶたに出ている原因のすべてが私の範囲にあるわけではありません。そこは正直にお伝えするのが、医師として誠実な態度だと思っています。

もし診察の結果、皮膚のたるみや眼瞼下垂が主な原因だとわかった場合は、眉下切開法(まゆしたせっかいほう)や挙筋前転法(きょきんぜんてんほう)といった治療が選択肢になります。視野が狭いなど機能的な症状があれば、保険適用を先に検討します。まぶたのたるみ取りが保険の対象になる条件は、こちらの記事で整理しています。

よくある質問

朝のまぶたのむくみについて、よくいただくご質問にお答えしますね。

片目だけ腫れる朝があります。左右差があるのは変ですか

寝ていた向きによって、下になっていた側にむくみが出ることはよくあります。数時間で左右差がなくなるようなら、姿勢による一時的なものと考えられます。ただし、片方だけが赤く熱をもっている、痛みがある、何日も左右差が続く、という場合は別の原因を考えます。一度診察でご相談ください。

むくみを放っておくと、たるみになりますか

むくんだこと自体が、そのままたるみに変わるわけではありません。ただ、むくみを取ろうとして強くこすったり、引っ張ったりする習慣は、皮膚に負担を重ねます。長い年月のなかで、たるみを早めてしまう可能性はあると考えています。ケアは優しく、が基本です。

まぶた用の美容器具やマッサージ機は使ってもいいですか

まぶたは皮膚が薄く、目そのものがすぐ下にあります。強い刺激や吸引をともなう器具は、目への影響も含めて慎重に考えたほうがよい場所です。使用を検討されている場合は、事前に医師に確認していただくと安心です。少なくとも、痛みを感じる強さで使うのは避けてください。

アイプチやアイテープを毎日使っています。むくみと関係ありますか

まぶたに接着剤やテープをくり返し使うと、皮膚が引っ張られたり、はがすときに刺激が加わったりします。かぶれや炎症が起きると、その反応としてむくみが出ることがあります。使うのをやめる必要はありませんが、かゆみや赤みが出ているときは休ませてあげてください。

朝のむくみを、その場ですぐ引かせる方法はありますか

即効性のある方法は、正直なところ多くありません。体を起こして少し歩くこと、冷たいタオルを短時間だけ当てることが、現実的にできることです。時間のない朝は、メイクで陰影を整えるほうが早い場合もあります。強くこすったり、たたいたりして無理に散らそうとするのは避けてください。翌朝に持ち越します。

まとめ|時間で戻るかどうかが、いちばんの手がかり

最後に、この記事の要点を整理します。

  • まぶたは皮膚が薄く、下の組織がゆるいため、体の中でもっともむくみが出やすい場所
  • 寝ている間に顔へ水分が集まるので、朝がいちばん腫れぼったくなる
  • 一晩で戻るむくみの主な原因は、塩分・アルコール・睡眠不足・寝る姿勢・目をこする刺激・冷え
  • 昼を過ぎても戻らない、年単位で進んでいるなら、たるみや眼瞼下垂の可能性を考える
  • 脚のむくみ、体重の急な増加、尿の変化、強いだるさをともなうときは、内科での検査を先に
  • 強いマッサージは逆効果。ケアは押さずに触れる程度で

鏡を見て気になった朝が続いているなら、それは体からの合図かもしれません。まぶたの変化は毎日見ているぶん、かえって気づきにくいものです。

効果や経過には個人差があります。ここでお伝えした内容は一般的な目安で、原因の特定には診察が必要です。正確な診断は、形成外科・眼科などの専門医にご相談ください。

まぶたのお悩みは、どんな小さなことでもかまいません。「手術という段階ではないけれど、何が起きているのか知りたい」というご相談も大歓迎です。無理な勧誘はいたしませんので、無料相談フォームからお気軽にお声がけください。

まぶた手術を得意とする形成外科Dr.簗(やな)由一郎

監修:簗 由一郎

形成外科専門医の簗(やな)由一郎です。眼瞼下垂などの「まぶたの手術」を専門に、埼玉・東京の医療機関で診療しています。20年以上の経験と技術で、自然で負担の少ない治療を心がけています。お悩みがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。

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形成外科専門医Dr.やなが運営する、まぶた・目の下のたるみ・クマ・眼瞼下垂治療の専門WEBメディア。埼玉・東京・茨城の10院以上で、目の下のたるみ取り・クマ取り・眼瞼下垂手術を専門に保険適用で治療します。自費の場合も、なるべく負担のないように低価格で医療をご提供したいと思い、まぶたの悩み専門メディアを立ち上げました。