「目の下の脱脂を受けたいけれど、何日くらい腫れるんだろう」
「内出血が出たら、仕事に行けなくなるんじゃないか」
「メイクでごまかせるようになるのは、いつ頃から?」
目の下のふくらみが気になって脱脂を検討している方から、こうしたご相談をよくいただきます。顔の中でもいちばん人目につく場所だけに、ダウンタイム(手術後、腫れなどが落ち着くまでの回復期間)の見通しが立たないと、なかなか予定を決められませんよね。
この記事は、形成外科専門医として20年以上まぶたの治療を専門に行ってきたDr.簗(やな)由一郎監修のもと、目の下の脱脂のダウンタイムを、手術当日から落ち着くまでの流れに沿って日別にご説明しますね。
腫れや内出血が日ごとにどう変わるのか、メイクや洗顔、仕事をいつから再開できるのか、そして「これは正常な経過なのか、受診したほうがいいのか」の見分け方まで、正直にお伝えします。
なお、目の下の脱脂は健康保険が使えない自由診療(自費診療)です。効果や経過には個人差があり、この記事の日数もあくまで一般的な目安としてお読みください。
も く じ
Toggleそもそも目の下の脱脂(経結膜脱脂法)とは?

目の下の脱脂は、正式には下眼瞼脱脂術(かがんけんだっしじゅつ)といい、まぶたの裏側から行う方法を経結膜脱脂法(けいけつまくだっしほう)と呼びます。
目の下がふくらんで見えるのは、多くの場合、眼窩脂肪(がんかしぼう=眼球を支えているまぶたの中の脂肪)が前に押し出されているためです。この脂肪を適量取り除いて、ふくらみと、その下にできる影をやわらげるのが脱脂です。
ダウンタイムを考えるうえで、まず知っておいていただきたい特徴が3つあります。
- まぶたの裏側(結膜側)から行うため、皮膚の表面に傷が残りません
- 皮膚を切って引き上げる手術にくらべて、腫れや回復にかかる時間が短めです
- 一方で、目の下は皮膚が薄く、内出血が出ると色が目立ちやすい場所です
「傷が残らない=ダウンタイムがゼロ」ではありません。腫れと内出血はきちんと出ます。ただ、その程度と期間は、皮膚を切る手術よりもおだやかなことが多い、という理解が実際に近いと思います。
脱脂という手術そのものの種類や費用の全体像を知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
自費診療であることと、主なリスク
目の下の脱脂は、基本的に自費診療です。ただし、内反症・外反症・腫瘍性疾患など、機能的な問題がある場合は保険適用になるケースもありますので、ご自身の状態がどちらに当たるかは診察でご確認ください。
主なリスクとして、次のようなことが起こりえます。手術前に必ず理解しておいていただきたい部分です。
- 腫れ、内出血
- 左右差
- 脂肪を取りすぎたことによる、目の下のくぼみ
- 取り残しや、時間の経過による再発
- まれに感染
こうしたリスクをどう避けるかは、脂肪をどれだけ、どのバランスで取るかという判断にかかっています。この点については、後ほど私の考えをお話ししますね。
目の下の脱脂のダウンタイム経過を日別に

脱脂のダウンタイムは、おおよそ次のように進みます。腫れのピークは手術後2〜3日で、大きな腫れは1週間ほどでかなり落ち着き、内出血が出た場合は2週間ほどで薄れ、最終的な仕上がりが見えてくるのは1〜3ヶ月が目安です。
ここからは、時期ごとの変化を順番にご説明しますね。数字はあくまで平均的な目安で、体質や脂肪の量によって前後します。
手術当日:帰宅後は冷やして安静に
- 麻酔が切れてくると、目の下に重い感じや軽い痛みが出ることがあります
- まぶたの裏側の傷は、外からは見えません
- 目のまわりがぼんやりむくんだ感じになります
手術は局所麻酔で行い、日帰りが一般的です。当日は、清潔な冷たいタオルなどでやさしく冷やしながら、無理をせず過ごしてください。強く押し当てる必要はありません。
うつむく姿勢や、長時間のスマートフォンは、この日は控えめにしていただくと楽です。
2〜3日目:腫れがピークを迎える時期
- 腫れがもっとも強くなるのが、手術後2〜3日ごろです
- 内出血(血がにじんで青紫色になること)が出る場合、この時期に色がはっきりします
- 目の下が少しごろごろする感じが残ることがあります
鏡を見て「思ったより腫れている」と不安になりやすいのがこの時期です。ですが、ここが折り返し地点です。ここを越えると、腫れは日ごとに引いていきます。焦らず経過を見守る気持ちで過ごすことも大切です。
内出血は、出る方と出ない方がはっきり分かれます。出たとしても異常ではなく、時間とともに必ず色は変わっていきます。
1週間前後:大きな腫れが落ち着く時期
- 大きな腫れがかなり引き、周囲に気づかれにくくなってきます
- 内出血の色が、青紫から黄色っぽく変わりはじめます
- まぶたの裏側の傷は、多くの場合、抜糸の必要がありません
多くの方が「ようやく人前に出られる」と感じるのがこのころです。経結膜脱脂法では、結膜側を縫わない、または溶ける糸を使うことが一般的で、抜糸のために通院する必要がないことがほとんどです。この点は、皮膚を切る手術との大きな違いです。
ただし、細かなむくみはまだ残っています。この段階の見た目で仕上がりを判断しないことが大切です。
2週間前後:内出血が消えていく時期
- 内出血が出ていた方も、色がほとんど分からなくなってきます
- むくみが引いて、目の下のラインが自然に見えはじめます
- ふくらみが取れた実感を、ご自身でも感じられるようになります
このころには、日常生活で気になる場面はほとんどなくなります。写真に写るような予定であれば、この時期以降に組んでいただくと安心です。
1〜3ヶ月:仕上がりが落ち着く時期
- 組織のむくみが完全に引き、最終的な形に安定します
- 目の下の影の出方が、照明や時間帯によらず落ち着いてきます
- 皮膚のなじみ方も、ゆっくり整っていきます
脱脂の仕上がりを最終的に判断するのは、この1〜3ヶ月ごろです。落ち着き方には個人差があり、もともとの脂肪の量や皮膚の状態によって前後します。
「ふくらみがまだある」と感じても、あわてないで
手術から数日〜数週間は、腫れやむくみでかえってふくらんで見えることがあります。これは脂肪が残っているのではなく、組織が水を含んでいるためです。
腫れが引くにつれて、目の下のラインは少しずつ落ち着いていきます。この時期の見た目で「取り残しでは」と判断してしまうと、必要以上に不安になってしまいます。評価も1〜3ヶ月ごろを目安にしていただくと安心です。
なお、時間が経ってから再びふくらみが気になるケースについては、原因と対処をこちらの記事で詳しくご説明しています。
メイク・洗顔・仕事…日常はいつから再開できる?

日常の再開時期は、多くの方が気にされるポイントです。目安を先にお伝えすると、洗顔とベースメイクは翌日以降、目元のメイクは1週間前後、デスクワークは数日以内、湯船や運動は1〜2週間以降が一般的です。
皮膚に傷が残らないぶん、皮膚を切る手術より再開は早めです。ただし、これは平均的な目安ですので、実際の時期は担当の医師の指示を優先してください。
- 洗顔:当日は目元をこすらないようにし、翌日以降はやさしく。ゴシゴシ洗わないことが大切です
- ベースメイク:目元を避けたメイクは、翌日以降から可能なことが多いです
- アイメイク:1週間前後を目安に。内出血が残る時期は、コンシーラーでカバーする方もいます
- コンタクトレンズ:数日〜1週間ほど控えるのが一般的です。それまではメガネで過ごしてください
- 仕事:デスクワークなら数日以内に戻る方が多いです。内出血が心配な方は、連休に合わせると安心です
- 入浴:シャワーは翌日以降に。湯船・長風呂・サウナは血行が良くなって腫れやすいため、1週間以上あけるのが目安です
- 運動・飲酒:血行を促して腫れや内出血を長引かせるため、1〜2週間は控えるのがおすすめです
接客業の方や、人前に出るご予定がある方は、内出血が出た場合を見込んで、2週間ほど余裕をもったスケジュールを組んでいただくと安心です。
ダウンタイムを長引かせないための過ごし方

同じ手術でも、腫れや内出血の出方には個人差があります。その差を生む要因と、ご自身でできる工夫をまとめますね。
経過を左右する主な要因は、次のようなものです。
- もともとの眼窩脂肪の量(処理する範囲が広いほど腫れやすい傾向)
- 内出血の出やすさなど、体質
- 血圧や、血液をサラサラにする薬の服用の有無
- 手術後の過ごし方(安静にできているか)
このうち、ご自身でコントロールできるのは手術後の過ごし方です。ポイントは次のとおりです。
- 最初の2日ほどは、清潔な冷たいタオルなどでやさしく冷やす
- 寝るときは枕を少し高くして、頭を心臓より上にする
- 飲酒・激しい運動・長風呂・サウナを、しばらく控える
- 塩分の多い食事を控えめにする(むくみ予防のため)
- 目をこすったり、強く押したりしない
- うつむく姿勢を長く続けない
派手なことをする必要はありません。無理のない範囲で安静に過ごすことが、結果として回復を早めます。
正常な経過と、受診したほうがいいサイン

ダウンタイム中は、ちょっとした変化にも不安になりやすいものです。まず知っておいていただきたいのは、腫れ・内出血・一時的な左右差の多くは、回復の途中で自然に見られる正常な経過だということです。
正常な経過として見られやすいのは、次のようなものです。
- 手術後2〜3日をピークとする腫れ
- 青紫から黄色へと変わりながら薄れていく内出血
- 腫れの引き方の差による、一時的な左右差
- 目のごろごろ感が数日続くこと
一方で、次のような症状があるときは、自己判断せず、手術を受けた医療機関に早めにご相談ください。
- 時間とともに強くなる痛みや、ズキズキする痛み
- 腫れが引くどころか、日を追って強くなる
- 急に視界がかすむ、見えにくくなる
- 発熱や、強い熱感をともなう
- 明らかに大きい左右差が、いつまでも変わらない
こうしたサインは、感染などの可能性を確かめるために、早めの診察が安心につながります。気になる症状があるときは、我慢せず専門医にご相談ください。
Dr.やなが目の下の脱脂で大切にしていること
私が目の下の脱脂で何より大切にしているのは、脂肪をどれだけ、どのバランスで取るかという判断です。
下眼瞼の眼窩脂肪は、内側・中央・外側の3つのコンパートメント(区画)に分かれています。どこがどれだけ出ているかは患者さんごとに違いますから、状態に応じてバランスよく切除することが重要です。必要に応じて、ティアトラフのリガメント(目の下の溝をつくっている靭帯)を剥がす処理も行います。ここが雑になると、ふくらみは取れても溝が残る、といったことが起こります。
もうひとつ、正直にお伝えしておきたいことがあります。脱脂術はダウンタイムも少なく、費用も抑えられる良い方法だと私は思っています。「脱脂だけでは不十分だから」と高額な手術を勧められる例もありますが、脱脂で十分満足できる症例も多く経験しています。
目の下の治療には、脱脂のほかにハムラ法などの選択肢もあります。どれが常に良い、どれがだめ、と決められる手術はありません。効果・費用・ダウンタイム・リスクを並べて、患者さんの状態に合わせて一緒に決めていくのが大事だと考えています。
もちろん、高額な手術へのご誘導は一切行いません。本当に必要な治療を、適正な料金で受けていただくことが何より重要だと考えています。
よくある質問
目の下の脱脂のダウンタイムについて、患者さんからよくいただくご質問にお答えしますね。
内出血は必ず出ますか?
必ず出るわけではありません。まったく出ない方もいれば、はっきり出る方もいて、体質による差が大きい部分です。出た場合も、青紫から黄色へと変わりながら、2週間ほどで薄れていくのが一般的です。ご予定がある方は、出た場合を見込んでスケジュールを組んでいただくと安心です。
抜糸のために通院は必要ですか?
まぶたの裏側から行う経結膜脱脂法では、結膜側を縫わない、または溶ける糸を使うことが一般的で、抜糸のための通院が不要なことがほとんどです。ただし術式や状態によって異なりますので、実際の通院予定は担当の医師にご確認ください。
脱脂をすると、目の下がくぼんでしまいませんか?
脂肪を取りすぎると、くぼんで見えることがあります。だからこそ、3つの区画のバランスを見ながら、必要な量だけを切除することが大切だと考えています。もともとくぼみがある方には、脱脂した脂肪を戻す注入を併用する方法もありますので、診察でご相談ください。
ハムラ法とどちらを選べばいいですか?
まぶたの状態、ご希望の仕上がり、取れるダウンタイム、そして費用のバランスによって変わります。唯一の正解はありませんので、それぞれの良い面と気になる面の両方を聞いたうえで決めていただくのがよいと思います。裏ハムラ法のダウンタイムについては、こちらの記事もご参考になさってください。
まとめ
目の下の脱脂のダウンタイムの流れを、あらためて整理します。
- 腫れのピークは手術後2〜3日ごろ
- 大きな腫れは1週間ほどでかなり落ち着く
- 内出血が出た場合は2週間ほどで薄れる
- 仕上がりが安定するのは1〜3ヶ月が目安
- 洗顔・ベースメイクは翌日以降、アイメイクは1週間前後、湯船や運動は1〜2週間以降が目安
まぶたの裏側から行うため皮膚に傷が残らず、皮膚を切る手術にくらべて日常に戻るのが早いのが、この方法の良いところです。途中経過に一喜一憂せず、1〜3ヶ月先の仕上がりを見据えて過ごしていただければと思います。
ここでお伝えした日数は、あくまで一般的な目安です。効果や経過には個人差があります。目の下の脱脂は自由診療であり、腫れ・内出血・左右差・取りすぎによるくぼみ・再発といった主なリスクもあります。正確な診断と、ご自身に合った方法の選択は、形成外科などの専門医にご相談ください。
まぶたや目の下のお悩みは、どんな小さなことでもかまいません。「脱脂で足りるのか、他の方法がいいのか知りたい」といったご相談も大歓迎です。無理な勧誘はいたしませんので、無料相談フォームからお気軽にお声がけください。
目の下のたるみ・クマの治療法の全体像を知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。



