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まぶた・目の下のたるみのお悩み専門WEBメディア

【医師監修】眼瞼下垂は自力で治すことできる?テープの効果と限界

「まぶたがズシっと重くなってきた…」「目を開けるのに妙に力がいる…」そんな変化を感じている方が、まず最初に手を伸ばすのが“テープ”での対処法ではないでしょうか。

手術への不安や費用の心配がある中で、まずは自力でできることを試したい気持ち、とてもよくわかります。

ただ、「効果が期待できる」「悪化する場合もある」といった情報が溢れていて、結局どれを信じればいいのか、わからなくなっていませんか?

形成外科専門医のDr.やなは、日々の診療で「テープで何年もしのいでいたけれど、もっと早く相談していればよかった」そんな声を繰り返し聞いてきました。症状に気づいたとき、どう動けばいいのか。そのヒントが得られれば、判断もしやすいと考えています。

この記事では、テープの効果と限界、根本的な治療方法、受診のポイントや費用の目安まで、眼瞼下垂を自力で治すことを検討中の方が知っておくべき情報を整理しました。

「手術は最終手段」として考えているあなたに、専門医の視点から正直にお答えします!

テープで眼瞼下垂を自力で治すことはできるの?

テープで眼瞼下垂を自力で治すことの可否

結論からいうと、テープで眼瞼下垂を「治す」ことは難しいと考えられています。あくまで一時的な症状の緩和手段であり、根本原因へのアプローチにはならないのです。

この点をしっかり理解したうえで使うことが、とても大切になります。

眼瞼下垂とは?まぶたが下がる原因をわかりやすく

眼瞼下垂の中で多いのは、「腱膜性(けんまくせい)眼瞼下垂」とよばれるタイプです。これは、筋肉そのものが弱るのではなく、まぶたを持ち上げる筋肉(眼瞼挙筋)と瞼板をつなぐ「挙筋腱膜」という薄い膜が、伸びたり外れたりすることで起こります。

原因として多いのは加齢ですが、ハードコンタクトレンズの長期使用や白内障手術後、花粉症やアトピー性皮膚炎などによる目のこすり過ぎも、引き金になることがわかっています。20~30代でも起こり得るため、「まだ若いから関係ない」とはいいきれません。

このほかにも眼瞼下垂には以下のような種類があります。

  • 先天性:生まれつき筋肉や神経の発達が不十分なタイプ
  • 神経原性:脳梗塞や動眼神経麻痺など、神経側に原因があるタイプ
  • 筋原性:重症筋無力症などで筋肉の機能が低下するタイプ

神経原性や筋原性の場合は、まぶた以外にも重大な疾患が隠れているケースがあります。複視(ものが二重に見える)や、ろれつが回りにくいなどの症状が同時にある場合は、早めに専門医を受診してください。

テープで効果を感じやすい場合と感じにくい場合

テープはまぶたの皮膚を物理的に引き上げることで、視野や見た目を一時的に改善できる場合があります。ただし、テープを外した瞬間に元の状態に戻ります。これは、腱膜のゆるみという根本原因には何も働きかけていないからです。

「治す」より「一時的に持ち上げておく」ための道具と考えるほうが正確で、あなたのまぶたの状態によって効果の感じ方も変わってくるでしょう。

テープの効果が感じやすい場合と、感じにくい場合をまとめると以下のとおりです。

特徴
効果を感じやすい 軽度の眼瞼下垂・まぶたの皮膚のかぶさりが主な原因の場合
効果を感じにくい まぶたが黒目に大きくかぶさっている中等度や重度の場合
使用を避けたほうがいい 皮膚に炎症・かぶれがある/神経・筋肉が原因の眼瞼下垂の場合

※ただし、テープの効果の感じ方には個人差があります。

あなたのまぶたは、鏡でみたときどのくらい黒目にかかっていますか? 軽度かどうかの目安になります。

まぶたにテープを使い続けると何が起きる?

まぶたの皮膚は顔の中でも特に薄く、非常にデリケートです。毎日テープを貼ってはがす刺激が続くと、かぶれ・かゆみ・赤みといった肌トラブルが起きやすくなります

なかには、皮膚が引っ張られ続けることでたるみが悪化したり、上まぶたの動きが制限されて不完全な瞬きが増えたケースも見られるため、注意が必要です。

これらは必ず起こるものではなく、個人差があります。ただ、リスクを知らずに毎日使い続けるのと、理解したうえで必要なときだけ使うのでは、まぶたへの負担がまったく変わってきます。

まぶたの状態別「テープの選び方」を紹介

ドラッグストアで買えるテープにも種類があり、まぶたの状態に合ったものを選ぶことで肌への負担を減らせます。

タイプ 粘着力 向いている状態 注意点
両面テープタイプ 厚ぼったいまぶた
むくみあり
肌への刺激が大きい
片面(のせるタイプ) 薄めまぶた
軽度のたるみ
取れやすい場合あり
サージカルテープ(医療用) 弱〜中 敏感肌
かぶれやすい方
固定力はやや弱め
絆創膏タイプ 中〜強 皮膚が余って
たるんでいる方
幅が広いため目立ちやすい

※ただし、効果の感じ方には個人差があります。
※すべて眼瞼下垂の根本治療にはなりません。一時的な対処として使用。

はじめて使う方や肌が弱い方は、粘着力の弱いサージカルテープから試すことをおすすめします。粘着力が強いほど効果が高まるとは限らず、はがすときの摩擦が大きくなってかぶれや皮膚の伸びにつながりやすくなります。

肌トラブルを避けるためにも、まずは弱めの粘着力から試してみましょう


以上、テープで眼瞼下垂を自力で治せるかどうか、その効果と限界・リスク・テープの選び方まで解説しました。「テープはあくまで一時的な緩和手段」と理解したうえで、使用を検討しましょう。

眼瞼下垂は「根本治療=手術|一時的な緩和=テープ」

眼瞼下垂の根本治療は手術・一時的な緩和はテープ

テープで見た目を和らげている間にも、腱膜のゆるみは静かに進んでいきます。

やはり、眼瞼下垂を根本から改善するには手術が必要です。「手術なんて怖い…」「お金がかかりそう…」と不安を抱える方も多いでしょう。

でも正しく知ってみると、「思っていたより怖くなかった」「意外と費用がかからなかった」と感じる方が多いのも事実です。

手術でまぶたはどう治るのか、その仕組み

眼瞼下垂の根本的な治療として、広く行われているのが「挙筋前転法(きょきんぜんてんほう)」です。まぶたを切開し、瞼板からゆるんだり外れたりした挙筋腱膜を引き出して、瞼板の適切な位置に縫い付け直す手術です。

筋肉そのものは機能しているのに力が伝わらなかった状態を、「力の伝達経路ごと修復する手術」と考えるとイメージしやすいでしょう。手術後は額やおでこにぐっと力を入れなくても、すっと目が開くようになる方が多く、視野の広がりとともに目元の印象も変わることが期待できます。

術式 対象 特徴 保険
挙筋前転法 腱膜性眼瞼下垂 代表的な手術方法 適用あり
眉下切開法 皮膚のたるみが主な原因 眉毛下で切開
傷跡が目立ちにくい
適用の場合あり
※原則、自費診療
切らない眼瞼下垂手術
(埋没式挙筋短縮術)
軽度〜中等度
切開を避けたい方
ダウンタイムが短い傾向 原則、自費診療

※術式の適応や保険適用の可否は診察・検査の結果により異なります。

代表的な挙筋前転法の場合、手術時間は両眼で60分程度、日帰りで受けられる場合がほとんどです。

腫れのダウンタイムは原則として2週間前後とされています。ただし、術式や回復の状況によって経過は異なるため、アイメイクの再開時期も含め、担当医の指示に従ってください。

実際に保険は使える?費用はどのくらいかかる?

眼瞼下垂の手術と聞くと「高額な美容整形」のイメージを持つ方もいますが、挙筋前転法の場合、多くのケースで健康保険が適用されます。「手術=高額」という先入観は、一度見直してみてください。

保険が適用される条件は、まぶたの下垂によって視野が狭くなるなど、日常生活に機能的な支障があると担当医師が判断した場合です。3割負担であれば、両眼で4万5,000円前後が一般的な目安になります。(ただし、保険適用の可否は診察・検査の結果によって異なる)

一方、軽度で機能障害がない場合や、美容目的の場合などは、一般的に保険が使えないことを事前に理解しておきましょう。

保険診療と自費診療では何が違うのかを把握しておくことは、納得のいく治療選択につながります。保険適用の条件や各診療の詳しい違いについては、下記の記事もあわせてご覧ください。

「手術は早いかも…」相談だけなら今すぐできる

「手術するかどうかまだ決めていない」「自分の状態がどの程度なのか知りたい」、そんな理由での受診でもまったく問題ありません。診察を受けたからといって、その場で手術を決める必要はないのです。

むしろ、今の自分の状態を専門医に診てもらうことで、次の3つがはっきりします。

  • 本当に眼瞼下垂なのか、別の原因(皮膚のたるみなど)なのか
  • 健康保険が適用できる状態かどうか
  • 今すぐ手術が必要か、経過観察でよいか

形成外科や眼科での診察は、保険診療の範囲で受けられます。症状が気になり始めた今が、受診を考えるいいタイミングです。「まだ大丈夫…」と先延ばしにせず、一度前向きに受診を検討してみてください。


以上、眼瞼下垂の手術のしくみ・術式の種類、保険適用の考え方と費用の目安、受診への第一歩について解説しました。

Q&A:眼瞼下垂を自力で治すことを検討中の方へ

眼瞼下垂を自力で治すことを検索

「眼瞼下垂をテープで何とかしたい」「自力で治す方法が知りたい」という方が、実際に気になっている疑問に一つひとつお答えします。

Q.まぶたが重くなってきたら、まず何をすればいい?

まず形成外科または眼科への受診を検討しましょう。自覚症状がまだ軽くても、専門医に現状を診てもらうことが、最も確実な第一歩です。

受診前にセルフチェックをしておくと、診察がよりスムーズになります。鏡を正面に向けて自然な表情で確認してみてください。

  • 上まぶたが黒目(瞳孔)の中心付近まで下がっていないか
  • 目を開けるときに、おでこにぐっと力が入っていないか
  • 眉毛の位置が左右で違う、あるいは以前より高くなっていないか
  • 夕方になるとまぶたが重くなり、目を開けているのがつらくなっていないか

これらに複数あてはまる場合は、眼瞼下垂の可能性が考えられます。ただし、正確な診断は医師にしかできない点は理解しておきましょう。

もう少し踏み込んでセルフチェックを行ってみたい方には、下記の記事が参考になります。

Q.自力でテープを使うときに気をつけることは?

テープを使う際は、「正しい貼り方」と「肌への負担を最小限にすること」が重要です。やり方を誤ると、まぶたの皮膚がひりひりと荒れたり、炎症を繰り返すリスクがあります。

テープを貼る前後のスキンケアは、意外と見落とされがちなポイントです。

貼る前は、まぶたの皮脂や汚れをやさしく拭き取り、清潔な状態にしてからテープを貼りましょう。皮脂が残っていると粘着力が不安定になり、剥がれやすくなります

はがした後は、まぶたの皮膚をやさしくなでながら保湿ケアをすることで、テープの刺激によるかさつきを抑えられます。

また、避けるべき使い方も覚えておきましょう。

  • 就寝時の貼りっぱなし(長時間の使用は皮膚への負担が大きい)
  • 眼球に近すぎる位置への貼り付け(目の表面を刺激するリスクがある)
  • 無理に強い粘着力のテープを使うこと(はがすときの刺激が大きい)
  • かぶれや赤みが出ているのに使用を続けること

赤みやかゆみ、腫れが出た場合はすぐに使用をやめてください。症状が続くようであれば、専門医に相談しましょう。

Q.テープ以外に、自力でできることはある?

結論からいうと、テープと同様に、眼瞼下垂そのものを自力で「治す」ケアはありません。ネットやSNSでまぶたのトレーニング(筋トレ)を見かけることがありますが、腱膜性眼瞼下垂の改善を示す医学的根拠はないのです。

むしろ、眼瞼挙筋はとても薄い膜状の筋肉で、一般的な筋トレのように鍛えることが構造的に難しく、腱膜が伸びたり外れた状態はトレーニングでは回復しないため、改善は期待できません。

自力でできることは「悪化を緩やかにする」ことに限られます。具体的には次のような習慣の見直しが考えられるでしょう。(ただし、効果には個人差があります)

コンタクトレンズ(特にハードレンズ)の使用頻度を見直したり、目をこする癖がある方(花粉症・アトピーなど)は、こすらないよう意識するだけで、まぶたへの刺激を減らせます。

また、十分な睡眠をとること、スマホやパソコンを長時間見続けないことも、目の周りの筋肉への負担を抑えるうえで意味があります。

ただし、これらはあくまで補助的な取り組みであり、根本治療にはなりません。「悪化のスピードを少し緩やかにする」程度として捉えておきましょう。

Q.眼瞼下垂は放置するとどうなる?リスクは?

放置すると、視野障害・頭痛・肩こり・眼精疲労などの症状が少しずつ悪化していく場合があります。また、子どもの先天性眼瞼下垂では、視力の発達に影響して弱視を招いたり、斜視を合併したりするリスクがあります。

視力の発達は概ね7〜10歳ごろまでとされており、それまでに適切な対応を取ることが弱視の予防につながるため、早期からの受診と経過観察が重要です(全例が弱視になるわけではありません)。

後天性眼瞼下垂で特に注意したいのが、「代償動作」による全身への影響です。まぶたがズシっと重く開きにくくなると、無意識のうちにおでこの筋肉(前頭筋)を使って眉をぐっと引き上げ、補おうとします。

前頭筋は頭部・首・肩の筋肉とつながっているため、この緊張が続くことで、慢性的な頭痛や肩こりが起きやすくなる場合があります。

さらに、まぶたの重さが増すにつれて視野が狭くなり、あごを上げてものを見ようとする姿勢(下顎挙上)が加わります。首や肩への緊張が一日中続くことで、慢性的な倦怠感や睡眠の質の低下につながるケースも少なくありません。

「マッサージをしても肩こりがすぐ戻る」「原因不明の頭痛が続く」…そんな不調の裏に、まぶたの問題が隠れていることがあります。心当たりがある方は、一度専門医に相談してみてください。

Q.相談だけでもクリニックに行っていいの?

もちろん、相談だけでも問題なく受診できます。先の記事中でも触れましたが、診察を受けたからといって、その場で何かを決断することはありません。

受診先は、目的に応じて選ぶとスムーズです。

目的 受診先の目安
保険診療で機能改善を希望 形成外科・眼科
美容目的・見た目の改善を優先 美容外科(自由診療)
まず診断だけ受けたい 形成外科・眼科が窓口になりやすい

美容外科は自由診療主体のクリニックが多く、なかには「保険診療可」と謳いながら、実際には高額な自費手術を勧められるケースもあるため、事前確認が大切です。

初診では、次のような検査や説明が行われるのが一般的です。

  • 問診(いつ頃から・どんな症状があるか)
  • 視野検査(視野の狭さを客観的に確認する)
  • 眼瞼挙筋機能の測定(まぶたを上げ下げする動きの幅を測る)
  • 診断と治療方針の説明

「どんな検査をされるのか」が事前にわかっているだけで、受診の不安は和らぎます。まず現状を正しく知ることが、自力での限界を見極めるうえでも大切な一歩です。

受診を検討される際、形成外科と眼科のどちらを受診すればいいか、迷われる方も多いかもしれませんね。それぞれの専門性や特徴、クリニック選びのポイントについて詳しく知りたい方には、下記の記事が参考になります。


以上、眼瞼下垂を自力で治すことを検討中の方からよくある5つの疑問について、セルフチェックの方法から受診の流れまで解説しました。

まとめ:自力での限界を知り、早めに専門医へ相談を

眼瞼下垂の専門医に相談

眼瞼下垂の症状が気になり始めると、多くの方がテープや生活習慣の見直しから手をつけます。それは決して間違いではありません。ただ、自力ケアにできることと、できないことを混同したまま続けると、気づかないうちに症状が進んでいることがあります。

それぞれの役割や注意点を、改めて整理しておきましょう。

  • テープ:視野・見た目を一時的に改善できる。使い方と頻度を守ることが前提
  • 生活習慣の見直し:悪化を緩やかにする補助的な取り組み
  • まぶたのトレーニング:腱膜性眼瞼下垂の症状を改善・根治する医学的根拠はない
  • 手術:ゆるんだ腱膜の修復を目指す、腱膜性眼瞼下垂に対する根本的な治療法

この記事を通じて伝えたかったのは、「自力ケアはNG」ということではありません。限界を知ったうえで使うことと、効果への誤解を持ったまま使い続けることでは、心構えがまったく異なります。

テープを上手に活用しながら、専門医に現状を診てもらうなど、両立しながら自身の眼瞼下垂と向き合うことも賢い選択の1つです。

形成外科Dr.やなの監修コメント

まぶた手術を得意とする形成外科ドクター簗(やな)

眼瞼下垂の患者さんを診ていて感じることがあります。「もっと早く来てくれていれば」という場面が、決して少なくありません。

症状が軽いうちは自覚しにくいのが眼瞼下垂の難しさです。じわじわと進行するため、「最近なんとなく目が重い」「夕方になると疲れやすい」という段階で気づける方はむしろ少数です。

多くの方は、視野がかなり狭くなったり、頭痛・肩こりが慢性化してから受診されます。

テープでしのいでいる間も、腱膜のゆるみは静かに続いています。早い段階で診察を受けることで、保険診療の範囲内で対応できる場合も多いです。「手術が必要かどうか?」の判断も含めて、まずは一度、専門医に現状を診てもらうことをおすすめします。

あなたのまぶたに今何が起きているのかを知ることが、最初の、そして最も大切な一歩です!

まぶた手術を得意とする形成外科Dr.簗(やな)由一郎

監修:簗 由一郎

形成外科専門医の簗(やな)由一郎です。眼瞼下垂などの「まぶたの手術」を専門に、埼玉・東京の医療機関で診療しています。20年以上の経験と技術で、自然で負担の少ない治療を心がけています。お悩みがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。

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