Skip to main content Scroll Top

まぶた・目の下のたるみのお悩み専門WEBメディア

【医師監修】眼瞼下垂術後の左右差はいつまで?6つの原因と対処法

眼瞼下垂の手術を終えて包帯を外した瞬間、鏡に映った自分の目を見て「あれ?左右で違う…」と感じたら、あなたはどう思うでしょうか。

「まさか失敗したのかな…」
「左右差はちゃんと治るの?」

そんな不安が一気に押し寄せてくるかもしれませんね。

実は、術後に感じる左右差の正体を理解すれば、過度に不安になる必要がないことがわかります。

Dr.やなは診療の中で、「ネットで見て心配になりました…」という声をよく耳にします。情報が溢れる今、かえって不安が増してしまう方が本当に多いです。

この記事では、術後の左右差がいつまで続くのか、なぜ左右差が出るのか、そして気になった時の対処法まで、具体的に解説します。

事前に知識を持っておくことで、術後の経過を冷静に見守ることができるはずです。

眼瞼下垂術後の左右差はいつまで?回復の目安

眼瞼下垂術後の左右差はいつまでか確認

結論からお伝えすると、術後の左右差は時間とともに徐々に改善することが多く、個人差はありますが、3~6カ月で最終的な仕上がりに近づきます。

軽度の場合は、腫れが引くにつれて早期に目立たなくなる方も多いでしょう。

術後の時期ごとに変化する左右差の見え方

眼瞼下垂の術後、まぶたの状態は日を追うごとに変わっていきます。左右差が気になる時期も、腫れの程度によって変化していくでしょう。

では、具体的にどのような経過をたどるのでしょうか?時期ごとの変化を見ていきます。

術後の時期 左右差の状態
1~2週間 腫れが強く左右差が目立ちやすい
2週間~1カ月 大きな腫れが引き始める
2~3カ月 周囲から見て気にならなくなる
3~6カ月 最終的な仕上がりに近づく
6カ月以降 完成形(左右差もほぼ消失)

※一般的な目安です。個人差があります。

手術直後から1~2週間は、腫れやむくみが強く出る時期。左右で腫れ方が異なる場合もあり、左右差が目立ちやすく感じるかもしれません。

鏡を見るたびに「失敗したのでは?」と心配になる方もいますが、この段階での左右差は一時的なものです。

表を見るとわかるように、回復は段階的に進んでいく傾向です。自分では細かい左右差が気になるかもしれませんが、他人の目には違和感なく映っていることもあるでしょう。

そして3~6カ月で組織が安定し、左右差も目立たなくなって最終的な仕上がりに近づきます。6カ月を過ぎれば完成形といえる状態になり、まぶたの開き具合も左右でバランスが取れてきます。

3カ月以上経っても気になる場合は相談を

ほとんどの左右差は時間とともに改善しますが、術後3カ月以上経過しても、明らかな左右差が残っている場合は注意が必要です

たとえば、

「視野の改善具合に差がある」
「片方だけ明らかに開きが悪い」
「左右で二重のラインが大きく異なる」

といった症状が続く場合は、執刀医に相談してみましょう。早めに相談することで、適切な対処法を検討できます。

ただし、ごく軽微な左右差は、元々の顔の構造による自然なものである可能性もあります。人の顔は完全に左右対称ではないため、わずかな違いは気にしすぎないことも大切です。

また、個人差があることも理解しておきましょう。回復のスピードは、体質や年齢、手術の方法によっても変わります。過度に焦らず、医師に相談をしながら、じっくり経過を観察することも大切です。

以上、眼瞼下垂術後の左右差はいつまで続くのか、回復の目安などを解説しました。次の章では、より安心して術後に備えるためにも、原因をもう少し深掘りしていきます。

なぜ?眼瞼下垂の術後に左右差が出る原因6つ

眼瞼下垂の術後に左右差が出る原因

眼瞼下垂の術後に左右差が生じる原因には複数あり、その多くは時間とともに改善していくものです。ただし、中にはそうでないものもあるため、注意が必要です。

ここでは、左右差が出やすい主な原因を6つ解説します。

原因を正しく理解することで、術後の経過を冷静に判断することができるでしょう。

まぶたの構造上の左右差がもともとある

そもそも人間の顔は完全に左右対称ではありません。鏡をよく見てみると、目の大きさや眉の高さ、ほほの膨らみ具合など、微妙に左右で違いがあることに気づくはずです。

まぶたも同じで、皮膚の厚みや筋肉の付き方、脂肪の量などに左右差があることは自然です。

特に、まぶたを持ち上げる眼瞼挙筋の強さは左右で異なる場合が多く、これが目の開き具合の違いにつながります。

手術では左右のバランスを整えることを目指しますが、元々の組織の影響をゼロにすることは難しい場合もあるでしょう。

術後の腫れやむくみの程度が左右で違う

手術の影響で片方のまぶただけが腫れやすいことは、実はよくあることです。体の反応には個人差があるため、左右で腫れの程度や引き方に違いが出るのは珍しくありません。

腫れによる左右差には、以下のような特徴が見られる場合があります。

  • 朝起きたとき特に目立つ
  • 時間が経つと少し改善する
  • 冷やすと腫れが落ち着きやすい
  • 1~2週間で徐々に左右差が小さくなる

※ただし、個人差があります。

ほとんどの場合、腫れが引くにつれて左右差は自然に改善していく傾向です。焦らず経過を見守ることも大切です。

縫合の力加減や糸の締まり具合に差が出る

眼瞼下垂手術の代表的な術式では、まぶたを持ち上げる筋肉と瞼板(まぶたの軟骨のように硬い板状の組織)を縫い合わせます。

手術中は左右のバランスを見ながら調整するのですが、術後の日常生活の中で状態が変わることがあります。これは、人が1日に15,000〜20,000回ものまばたきをするため、まぶたが非常に動きの多い部位であることが理由です。

まばたきの繰り返し動作によって、縫合した糸が徐々に緩んだり、組織のなじみ方に左右差が出ることがあるのです。

特に術後1~2週間は組織がまだ不安定な時期。糸の締まり具合が変わることで、一時的に左右差を感じる場合も見られます。

手術後の傷の治り方が左右で異なる

傷の治癒スピードは、体質や年齢、体調によって変わります。さらに、同じ人でも左右で治り方に差が出ることは珍しくありません。

たとえば、内出血が片方だけ強く出た場合、その部分は腫れが長引きやすくなります。また、皮膚の厚みや血流の良さが左右で違えば、傷の回復ペースにも影響するでしょう。

こうした治癒過程の違いによって、「片方だけ重たい」「開き方が違う」など、一時的に左右差が生じることがあるのです。

無意識な目の使い方の癖が影響する

眼瞼下垂がある方の多くは、長年の間、まぶたが開きにくい状態をカバーするために、おでこの筋肉(前頭筋)を使って目を開ける癖がついています。

眉を上げることで、間接的にまぶたを持ち上げようとする動作です。

この代償的な癖は、左右で程度が異なることがあります。たとえば、右目のほうが下垂が強かった場合、右側のおでこをより使う癖がついているかもしれません。

手術後もこの癖がすぐには抜けないため、術後の回復過程で左右差に影響することがあるのです。

意識的に前頭筋の使い方を控えていくことで、徐々に自然な目の開け方に戻り、左右差も改善していく可能性もあるでしょう。

執刀医の技術や経験も結果に影響する

手術の仕上がりは、医師の技術や経験によっても左右されます。眼瞼下垂の手術は繊細な技術が求められ、左右のバランスを整えるには豊富な経験と技術力が必要です

そのため、手術前の段階で「信頼できる医師を選ぶこと」は非常に重要です。

【医師選びで確認したいポイント】

  • 眼瞼下垂の症例数や実績が豊富か
  • 形成外科専門医の資格を持っているか
  • 術前の症例写真を見せてもらえるか
  • 術後のフォロー体制が整っているか
  • カウンセリングで丁寧に説明してくれるか

経験豊富な医師であれば、術前から左右差のリスクについても説明してくれるはずです。不安な点は遠慮せずに質問し、納得した上で手術を受けることが大切です。

どのような基準で医師を選べばよいか、具体的なチェックポイントを知りたい方には、下記の記事が参考になります。

以上、眼瞼下垂の術後に左右差が出る6つの原因を解説しました。原因を知ることで、「なぜこうなっているのか」が理解でき、不安も少し軽くなるのではないでしょうか。

眼瞼下垂の術後に左右差が気になった際の対処法

眼瞼下垂の術後に左右差が気になった際の対処法について

術後に左右差を感じると、「今すぐ何とかしなければ…汗」と焦る気持ちもわかります。でも、まず大切なのは落ち着いて適切な対応を取ることです。

では、具体的にどう行動すればいいのでしょうか?

ここでは、眼瞼下垂の術後に左右差が気になった時の具体的な対処法をお伝えします。

まずは医師の診察を受けて状態を確認する

左右差が気になったら、まず担当医師に相談しましょう。自分では「明らかにおかしい」と感じていても、医師から見れば「正常な回復過程の範囲内」ということもあります。

多くのクリニックでは、術後1週間、2週間、1カ月、3カ月など、一定のタイミングで定期診察を行います。この診察で医師が左右差の程度を客観的に評価し、対処が必要かどうかを判断します。

中でも、術後2週間以内の診察は重要なタイミングの1つです。明らかに大きな左右差がある場合、この時点なら傷の癒着がまだ弱く、組織が柔らかい状態のため、早期修正が検討されることもあります。

【術後2週間以内の確認ポイント】

  • 左右のまぶたの開き具合に大きな差はないか
  • 二重のラインの高さに極端な違いはないか
  • 視野の改善度合いに左右差があるか
  • 担当医師が修正の必要性を感じているか

この診察で医師から「経過観察で大丈夫」といわれたなら、焦らず時間をかけて回復を待ちましょう。逆に、「少し調整が必要かもしれません」と判断してくれる場合もあります。

定期診察を欠かさず受けることで、修正が必要な場合にタイミングを逃さず対処できます。

定期診察の際は遠慮せず、気になることを素直に伝えましょう。些細な疑問でも、医師にとっては経過を判断する重要な情報になります

あなたの不安を解消するためにも、コミュニケーションを大切にしてください。

修正手術を検討する際の注意点

ここで知っておきたいのが、修正手術は初回手術よりも難易度が上がる傾向があることです。

一度手術した組織は瘢痕(傷跡)ができているため、再度切開して調整する際に組織が硬くなっていたり、癒着していたりします。

このため、初回手術と比べて繊細な技術が必要になるのです。

また、わずかな左右差の場合は、修正手術の適応とならない可能性もあります。元々の顔の構造による左右差は、手術でもゼロにすることが難しい場合も多いからです。

医師と十分に相談しながら、修正によって期待される効果とリスクを十分に理解した上で決めましょう。

術後のケアで回復をサポートする

左右差を抑えるためには、術後のケアも重要な要素です。日常生活での何気ない行動が、回復に影響することがあります。

何より医師から指示された術後のケアを守ることが大切です。特に以下の点に注意しましょう。

【術後に気をつけたいこと(一例)】

  • 傷口を触らない、擦らない
  • 洗顔時は優しく行う(ゴシゴシ洗いは避ける)
  • 処方された点眼薬や軟膏を指示通りに使う
  • 激しい運動や長時間の入浴は控える
  • 十分な睡眠をとり、体調を整える
  • うつぶせ寝を避ける(まぶたに負担がかかるため)

「これくらい大丈夫だろう」と自己判断はしないことです。仮に片方だけ触る癖があると、左右で治り方に差が出る可能性もあるため、両目とも丁寧に扱いましょう。

以上、術後の左右差が気になる場合は、焦らず医師と相談しながら判断を見極めることが大切です。

多くのケースでは時間の経過とともに改善が見られますが、必要に応じて適切な対処を受けることで、より納得のいく結果につなげられるでしょう。

まとめ:経過観察と適切な相談で安心の術後を

まぶた手術を得意とする形成外科ドクター簗(やな)

ここまで読んでくださったあなたは、眼瞼下垂術後の経過について理解が深まったのではないでしょうか。

術後の左右差は決して珍しいことではありません。腫れやむくみ、傷の治り方の違いなど、一時的な要因による左右差は、焦らず経過を見守ることで落ち着いていくことも多いでしょう。

【術後を前向きに過ごすための心構え】

  • 完全な左右対称を目指しすぎない(元々の顔にも左右差はある)
  • 鏡を見すぎて神経質にならない(1日1~2回の確認で十分)
  • ネット上の体験談と自分を比較しすぎない(回復速度は人それぞれ)
  • 信頼できる担当医師に相談する(疑問はその場で解消)←事前の医師選びが重要

もし気になることがあれば、遠慮なく担当医師に相談してください。「こんなこと聞いたら迷惑かな…」なんて思う必要はありません。

あなたの不安を解消し、適切な経過をサポートするのも医師の役目です。小さな疑問でも素直に伝えることで、より安心して回復期間を過ごせるでしょう。

この記事があなたの安心材料となり、前向きに術後期間を過ごすお手伝いができたなら嬉しいです。

形成外科Dr.やなの監修コメント

眼瞼下垂の手術は、患者さんの期待値と実際の仕上がりのギャップをいかに小さくするかが重要です。

術前のカウンセリングで「術後にどんな経過をたどるのか」「左右差が出る可能性はあるのか」をしっかり説明し、患者さんに理解していただくことが、術後の不安を軽減する第一歩だと考えています。

多くの患者さんは、術後すぐの状態を「完成形」だと思ってしまい、左右差に過度に不安を感じる傾向があります。記事の解説にもあったとおり、まぶたの完成には3〜6カ月かかることを認識しておきましょう

もし今、術後の左右差で悩んでいる方は、まず深呼吸。そして、担当医に率直に相談してみてください。医師はあなたの不安に寄り添うためにいます。遠慮は不要です。

そして、これから手術を検討している方は、まず信頼できる医師探しに時間をかけてください。カウンセリングで「この先生なら任せられる!」と感じられるかどうかが大切です。

まぶた手術を得意とする形成外科Dr.簗(やな)由一郎

監修:簗 由一郎

形成外科専門医の簗(やな)由一郎です。眼瞼下垂などの「まぶたの手術」を専門に、埼玉・東京の医療機関で診療しています。20年以上の経験と技術で、自然で負担の少ない治療を心がけています。お悩みがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。

更新情報

About

形成外科専門医Dr.やなが運営する、まぶた・目の下のたるみ・クマ・眼瞼下垂治療の専門WEBメディア。埼玉・東京・茨城の10院以上で、目の下のたるみ取り・クマ取り・眼瞼下垂手術を専門に保険適用で治療します。自費の場合も、なるべく負担のないように低価格で医療をご提供したいと思い、まぶたの悩み専門メディアを立ち上げました。