「最近まぶたが重くて視野が狭い…」
「眼瞼下垂の治療を受けてみようかな」
「形成外科と眼科どっちに行けばいい?」
まぶたが下がって視野が狭くなり、いざ病院を受診しようと決めたとき、多くの方がこの疑問にぶつかります。眼科も形成外科も、どちらも眼瞼下垂の治療を掲げているから迷いますよね。
「目の病気なんだから眼科が専門でしょ?」と思って調べると、「形成外科のほうが手術の仕上がりがきれい」という情報も目に入ったりします。
ネットやSNSで調べても情報はバラバラで、どっちが正解なのか分からない。間違った診療科を選んで時間を無駄にしたくない。結局どっちを選べば失敗しないのか。判断がつかずに困ってしまう方も多いでしょう。
形成外科専門医のDr.やなは、患者さんから「最初に眼科に行くべきでしたか?」「形成外科を選んで正解でしたか?」と不安そうに質問されることがあります。
実は「どっちが正解」という単純な答えはありません。あなたが何を優先したいかによって、適した選択肢が変わってくるのです。
この記事では、眼科と形成外科それぞれの治療の特徴を詳しく解説し、あなたの症状や希望に合った診療科の選び方をお伝えします。納得できる治療を受けるための第一歩として、ぜひ参考にしてください!
も く じ
Toggle眼瞼下垂は眼科と形成外科どっちを受診すべき?

では早速、眼瞼下垂で眼科と形成外科のどっちを受診すればいいのか。
それぞれの違いや選び方などを詳しく見ていきましょう。
眼科と形成外科ではアプローチと専門性が異なる
まず眼科は、目の機能回復と眼球の健康を守ることを中心に診療します。眼瞼下垂の背後に重症筋無力症などの他の眼疾患が隠れていないかを確認し、専門機器による検査で原因の特定を行います。
一方、形成外科は、体の表面に生じる疾患を外科的に治療する診療科です。傷や傷跡をきれいに目立ちにくくし、機能を回復させるだけでなく、左右のバランスや自然な仕上がりにもこだわって治療を行うのが特徴といえるでしょう。
基本的に、どちらが優れているというわけではありません。記事の冒頭でも触れたように、あなたが何を優先したいかによって適した選択肢が変わってきます。
症状の程度と治療目的で選ぶ診療科が変わる
軽度の眼瞼下垂で、まずは視野の改善を希望される場合は“眼科”での相談から始めてもよいでしょう。眼科医は目の病気全般を扱うため、他の眼疾患がないかも合わせてチェックしてくれます。
ただし、全ての眼科が眼瞼下垂の手術に対応しているわけではなく、外科手術の経験が少ない場合もあるため、受診前に確認することをおすすめします。
一方、まぶたのたるみが強く手術が必要と思われる場合や、機能改善に加えて見た目の自然さも重視したい場合は、“形成外科”が良い選択肢の1つになるでしょう。
注意点として、形成外科医は外科手術や縫合の技術に優れていますが、体全体を扱うことも多いため、まぶたを専門とする医師は限られています。受診する際は、眼瞼下垂の症例が豊富な医師を選ぶことが大切です。
あなたの症状がどの程度なのか、そして何を目指して治療を受けたいのかを明確にすると、どっちを選ぶべきかが少しずつ見えてくるはずです。
眼形成外科という専門分野も注目されている
近年、眼瞼下垂などまぶた周辺の治療を専門的に行う「眼形成外科」という分野が注目を集めています。これは、眼科と形成外科の境界領域にあたる専門分野です。
眼形成外科を専門とする医師は、眼科医の場合もあれば形成外科医の場合もあります。眼形成外科医は、まぶた・眼窩・涙道など目の周囲の疾患を扱い、目の機能とまぶたの構造、そして審美性の両方に配慮した治療を行うことが特徴です。
くれぐれも、眼瞼下垂の治療では、目の健康を守りながら自然な見た目に配慮した技術が求められます。
眼形成外科を専門にしている医師であれば、眼球の診察と形成外科的な技術の両方を持ち合わせているため、機能面と美容面の両立を目指した治療を受けることができるでしょう。
以上、眼科と形成外科のどっちを選ぶべきか、その違いと選び方について解説しました。つづいて、それぞれの診療科での眼瞼下垂治療の特徴をより詳しく見ていきます。
形成外科での眼瞼下垂治療の特徴とメリット

形成外科は体表の外科治療を専門とし、眼瞼下垂の治療でも独自の強みを発揮します。ここでは、形成外科で治療を受ける具体的なメリットを見ていきましょう。
- 【体表の外科治療を専門とする技術力がある】
形成外科医は、体の表面に関わる外科治療を専門としています。特に傷跡を目立ちにくくする縫合技術に優れており、まぶたのような繊細な部位でも自然な仕上がりを目指した治療を行います。 - 【眼瞼下垂を専門的に扱う医師が在籍している】
形成外科医の中には、眼形成外科としてまぶた治療に特化した医師もいます。豊富な手術経験を持つ医師なら、まぶたの構造を熟知した上で、あなたの症状に適した治療法を提案してくれるでしょう。 - 【美容的な仕上がりまで含めたトータルケアが可能】
形成外科では、視野を改善するだけでなく、目元全体のバランスや印象まで考慮した治療を行います。まぶたの厚みや二重のラインなど、細かな部分にも配慮してもらえるでしょう。 - 【左右差や目の印象の改善にも対応できる】
まぶたの下がり方は左右で異なるケースが多く、放置すると顔全体の印象にも影響します。形成外科では、左右のバランスを整えながら治療を進めることができます。 - 【保険適用と自費診療を選択できる場合がある】
視野に支障があるなど機能的な問題がある場合、保険適用となる可能性があります。一方、機能的には問題がないものの見た目の改善を希望する場合や、より細かな美容面の調整を希望する場合は、原則自費診療となります。あなたの症状や希望する仕上がりに合わせて提案を受けることになるでしょう。
※クリニックや執刀医によって差があります。
形成外科、特に眼形成外科を専門とする医師は、外科的な技術力と美容面への配慮を兼ね備えています。
視野の改善はもちろん、目元の印象も考慮した治療を希望する方にとって、適した選択肢の1つといえるでしょう。
眼科での眼瞼下垂治療の特徴とメリット

眼科は目の健康を守る専門科として、視機能を重視した診療を行います。眼瞼下垂の治療においても、眼科ならではの強みが発揮されます。
- 【視機能の回復を優先にした診療が受けられる】
眼科医は、まぶたの治療でも「見え方」を第一に考えます。視野がどれくらい改善するか、眼球への負担はないかなど、目の機能面を重視した治療方針を立ててくれるでしょう。 - 【眼科専門の検査機器で眼球の状態も詳しく診察できる】
視野検査や細隙灯顕微鏡(さいげきとうけんびきょう)など、眼科には専門的な検査機器が揃っています。まぶただけでなく、眼球そのものの状態も同時に詳しくチェックできるのは眼科ならではのメリットです。 - 【緑内障や白内障など他の目の病気も同時に発見できる】
眼瞼下垂の症状で受診したとき、実は他の目の病気が隠れているケースもあります。眼科なら、緑内障や白内障、ドライアイなどの有無も合わせて調べることができるため、目の健康を総合的に守れるでしょう。 - 【眼瞼下垂に似た症状を持つ病気との鑑別診断ができる】
まぶたが下がる症状は、眼瞼けいれんや重症筋無力症など他の病気でも起こり得ます。眼科では目の専門的な検査により、こうした病気との鑑別を行うことができます。もし重症筋無力症など全身疾患が疑われる場合は、脳神経内科など他の専門科と連携した診断・治療が必要になることもあります。 - 【眼形成外科を専門とする眼科医なら審美面にも配慮できる】
眼科医の中にも、眼形成外科を専門とする医師がいます。こうした医師は、視機能の回復に加えて、見た目の自然さにも配慮した治療を行っています。ただし、審美面への配慮の程度は、事前に確認されることをおすすめします。
※クリニックや執刀医によって差があります。
眼科では目の健康を重視した診療が基本となりますが、特に審美面への配慮度合いは医師によって差が大きいことを覚えておきましょう。
形成外科・眼科のクリニック選び5つのポイント

眼瞼下垂の治療を受けるなら、信頼できる医師とクリニックを選ぶことが何より大切です。形成外科と眼科のどっちを選ぶ場合でも、チェックすべきポイントは共通しています。
ここでは、クリニック選びの5つのポイントをご紹介しましょう。
眼瞼下垂の治療実績が豊富な医師がいるか
まず形成外科専門医や眼科専門医といった資格を持っていることが大切ですが、それに加えて眼瞼下垂の治療実績が豊富かどうかを確認しましょう。
専門資格があっても、実際にまぶたの手術経験が少ない医師では不安が残ります。眼瞼下垂手術の年間症例数や、これまでの経験年数を聞いてみるとよいでしょう。
また、眼形成外科を専門にしている、あるいはまぶた治療に力を入れている医師かどうかもチェックしたいポイントです。近年は眼科医も形成外科医も、眼形成外科の知識と経験を持つ医師がいますので、この分野の専門性を確認しましょう。
クリニックのホームページで医師の経歴や実績を確認したり、診察時に直接質問したりして、実際にあなたの目を安心して任せられる医師かどうかを見極めてください。
信頼できる名医を見つけるための具体的なチェックポイントを知りたい方には、下記の記事が参考になります。
診察時に症状や希望を丁寧に聞いてくれるか
執刀医自身が、あなたの悩みや治療の目的をしっかり聞いてくれるかは重要なポイントです。機能改善だけを望んでいるのか、見た目の改善も重視したいのか、患者さんによって優先順位は異なります。
一方的に治療方針を決めるのではなく、あなたの意向を尊重してくれる医師を選びましょう。初診時のコミュニケーションの質が、治療後の満足度に直結するといっても過言ではありません。
- 話しやすい雰囲気か
- 質問に丁寧に答えてくれるか
- あなたの不安に寄り添ってくれるか
こうした点を初回の診察でしっかり確認してみてください。
治療法・費用・保険適用可否の説明が明確か
どのような手術方法を行うのか、費用はいくらかかるのか、保険適用になるかどうかを事前に明確に説明してくれるクリニックを選びましょう。曖昧な説明のまま手術を受けると、後で予想外の費用が発生してトラブルになるケースもあるからです。
手術のリスクや起こりうる合併症、ダウンタイムの期間についても丁寧な説明があるかも確認してください。良い点だけでなく、マイナス面もきちんと伝えてくれる医師は比較的信頼できます。
複数の治療選択肢がある場合は、それぞれのメリットとデメリットを比較して説明してくれるかもポイントです。あなたが納得して治療法を選べる環境が整っているかチェックしましょう。
症例写真やビフォーアフターを見せてくれるか
実際の症例写真を見せてもらえるかどうかも大切な判断材料の1つです。写真を見ることで、その医師の技術レベルや仕上がりのイメージが具体的に掴めるでしょう。
あなたと似た症状の症例があるか確認できれば、より参考になります。「自分もこんな風に改善できるかもしれない」とイメージが湧くと、安心して治療に臨めると思います。
ただし、症例写真には個人差があることも理解しておきましょう。同じ手術を受けても、まぶたの状態や体質によって仕上がりは変わってきます。
手術後のアフターケア体制が整っているか
手術をして終わりではなく、術後の経過観察や万が一のトラブル時にも丁寧に対応してくれるかを確認しましょう。
術後の腫れや痛みが強い場合、あるいは仕上がりに違和感がある場合など、すぐに相談できる体制が整っていることが重要です。
術後の定期検診はいつ、何回行われるのか、緊急時の連絡先はどこかといった点を事前に確認してください。迅速に対応してくれる体制があれば、安心して手術を受けられるでしょう。
くれぐれも、アフターケアを軽視するクリニックは避けることをおすすめします。
以上、形成外科と眼科に共通するクリニック選びの5つのポイントをお伝えしました。
眼瞼下垂治療の診療科選びでよくある質問

眼瞼下垂の治療を検討するとき、診療科選び以外にも疑問や不安を感じる方は多いでしょう。
ここでは、患者さんからよく寄せられる質問にお答えします。
眼瞼下垂かどうか自分で判断できる?
ある程度のセルフチェックは可能ですが、確定的な診断には医師の診察が必要です。
鏡を見て、まぶたが黒目の上部にかかっている、額にしわを寄せないと目が開けにくい、といった症状があれば眼瞼下垂の可能性があります。
ただし、眼瞼けいれんや重症筋無力症など、似た症状を持つ他の病気もあるため、自己判断だけで済ませるのは推奨できません。気になる症状があれば、早めに受診しましょう。
医師による専門的なチェックを受けることで初めて、適切な治療方針が見えてきます。
受診の前に、ひとまずおおよそで自身の症状を確認したい方は、下記のセルフチェック記事もあわせてご覧ください。
眼科と形成外科で治療費は変わる?
診療科による治療費の違いに大差はありません。主に治療費が変わるのは、保険適用か自費診療かという点です。
保険適用の手術であれば、眼科でも形成外科でも3割負担で同程度の費用になります。一般的に片目で約2万~2.5万円程度、両目で約4万~5万円程度が目安です。ただし、医療機関や手術方法、術前検査、薬代などにより変動します。
一方、自費診療の場合はクリニックによって料金設定が大きく異なります。目安で20万~60万円と幅広いため、事前にしっかり確認してください。診療科ではなく、保険適用の有無とクリニックの料金体系で判断するとよいでしょう。
保険適用と自費診療の違いは何ですか?
基本的な判断基準として、視野障害など機能改善を目的とした治療なら保険適用の可能性があり、美容目的のみの場合は自費診療になります(医師の診断により判断)。
ただし、保険適用の条件は、まぶたが下がって視野が狭くなっている、日常生活に支障がある、といった機能的な問題があることがポイントです。
自費診療では、より細かな二重のデザイン調整や、たるみ取りを組み合わせた施術など、審美性を追求した治療が選べます。ただし、技術力の高い医師であれば、保険適用の治療でも自然な仕上がりを目指せるケースも多いでしょう。
「見た目をきれいにしたい」という希望を恥ずかしがる必要はありません。機能面と美容面の両方を大切にしてくれる医師なら、あなたに適した治療法を一緒に考えてくれるはずです。
まずは、自分の症状がどちらに当てはまるのかを認識し、医師と相談しながら判断してみてください。保険適用になるかどうか気になる方は、下記の記事も参考になります。
眼科での診察後に形成外科へ変更できる?
可能です。眼科で診察を受けた後、セカンドオピニオンとして形成外科を受診する方もいらっしゃいます。
たとえば、眼科で「手術が必要」と診断されたものの、仕上がりの自然さが気になる場合や、より外科的な治療を希望する場合は、形成外科で改めて相談するといいでしょう。紹介状があればスムーズに引き継ぎができますが、なくても受診は可能です。
逆に、形成外科から眼科へ変更するケースもあります。診療科を変えることに遠慮は不要です。納得できる治療を受けるために、複数の医師の意見を聞くことは大切な選択肢の1つといえるでしょう。
以上、眼瞼下垂治療での診療科選び、並びにそれに関連したよくある質問にお答えしました。
まとめ:あなたに合った診療科で眼瞼下垂治療を

ここまでお読みいただきありがとうございました。眼瞼下垂の治療を受けるとき、眼科と形成外科のどっちを選ぶべきか迷う方は本当に多いです。ただ前提として、どっちの診療科でも機能回復を目指すことができるのは、解説した通りです。
【参考:診療科選びの目安】
- 目の健康状態も含めて総合的に診てほしい → 眼科
- 外科的な技術力と審美的な仕上がりも重視したい → 形成外科
実は、本当に大切なのは「眼科か?形成外科か?」という診療科の選択ではありません。あなたが何を優先したいのか、そして担当医師が眼瞼下垂や眼形成外科の治療経験が豊富かどうかが重要です。
ただし、眼科でも審美性に配慮する医師はいますし、形成外科でも必要に応じて眼科と連携する体制を整えているクリニックもあります。
診療科の看板よりも医師の専門性が決め手
近年は、眼形成外科を専門分野とする医師も見られます。眼科医の場合も形成外科医の場合も、眼形成外科の知識と技術を持つ医師なら、機能と審美性を両立させた治療が期待できるでしょう。
まずは、医師の専門性を確認した上で、気になる診療科を受診してみてください。
診察を受けた上で判断に迷う場合は、他の診療科でセカンドオピニオンを聞くことも選択肢の1つです。焦らず、納得できる医師と出会えるまで相談を重ねてもいいのです。
最後になりますが、あなたが安心して眼瞼下垂の治療に踏み出せることを心から願っています。
形成外科専門医やな医師の監修コメント

私は形成外科専門医として、眼瞼下垂をはじめとする「眼形成外科」の治療に特に力を入れています。
診療科選びで悩まれるのは自然なことですが、診療科の看板だけで判断するのではなく、「その担当医師がまぶた治療の専門性と十分な経験を持っているか」が重要なポイントの1つだと感じています。
私の診察では、患者さんの症状だけでなく、どのような目元を希望されているかも、じっくりお聞きするよう心がけています。機能面での改善はもちろん、見た目の印象についても率直にお話しいただければと思います。
また、保険が使える治療は保険で受けていただけるよう、適正価格での診療を大切にしています。まぶたが下がってきて困っている、視野が狭くなってきた、そんなお悩みがあれば遠慮なくご相談ください。

