「まぶたの手術はどんな種類があるの?」
「私の悩みにはどの手術が合っているの?」
最近では美容意識の高まりとともに、まぶたの手術を検討する方も増えていますが、「種類が多くてよくわからない…」という声をよく耳にします。
まぶたの手術には、眼瞼下垂の治療から美容目的の二重形成まで、実に様々な種類があります。また、同じ悩みでも複数の手術があり、どれを行うかで結果も変わるため、迷うのは当然ですよね。
Dr.やなは形成外科専門医として、患者さんが本当に必要とする治療を適正な価格で受けていただくことを大切にしています。
ただ残念ながら、中には過度に高額な治療や、患者さんの状態に適さない手術を勧めるケースも見受けられるため、正しい知識を持つことが何より重要だと感じています。
本記事では、症状・お悩み別にまぶた手術の主要な5つの種類について詳しく解説します。あなたがより良い選択をするための参考になれば嬉しいです。
も く じ
Toggleまぶた手術の種類5選[症状・お悩み別]
まぶたの悩みは人それぞれ違います。眼瞼下垂で疲れやすい方、たるみで視野が狭くなった方、一重や奥二重で目が小さく見える方など、症状に合わせた手術の選択について、医師とよく相談することが大切です。
ここでは代表的な5つの手術方法を、それぞれの特徴を詳しく解説していきます。
眼瞼下垂の手術

眼瞼下垂(がんけんかすい)の手術は、まぶたを持ち上げる筋肉の働きの改善を図り、目の開きの向上を目指す治療です。生まれつきまぶたが重い方や、加齢・コンタクトレンズの長期使用などで筋肉が弱くなった方に行われます。
手術方法 | 手術時間 | ダウンタイム | 保険適用 |
---|---|---|---|
挙筋前転法 | 60~90分 | 2~3週間 | 条件付 |
眉下切開法 | 30~60分 | 1~2週間 | 条件付 |
埋没式挙筋短縮術 | 15~30分 | 3~5日 | 原則自費 |
※手術時間やダウンタイムは目安
※保険適用の条件付は診察結果による
【こんな症状やお悩みのある方】
- まぶたが重くて目を開けにくい
- 視野が狭くて見えづらさを感じる
- おでこにシワを寄せて目を開けている
- 日中から眠そうな印象を与えてしまう
挙筋前転法
挙筋前転法(きょきんぜんてんほう)は、眼瞼下垂治療の代表的な手術方法の1つです。まぶたを持ち上げる眼瞼挙筋という筋肉を短くして、適切な位置に固定し直すことで、目の開きの改善を図ります。
保険適用となるケースが多く、局所麻酔での日帰り手術(60~90分)が可能。ダウンタイムは2~3週間ほどで、徐々に自然な仕上がりになっていきます。
重度の眼瞼下垂に対する標準的な治療法です。
※手術の結果には個人差があります。
眉下切開法(眉下皮膚切除術)
眉下切開法(まゆしたせっかいほう)は、眉毛の下から余分な皮膚を取り除くことで、まぶたのたるみの改善を図る手術です。筋肉の問題というより、皮膚の余りが原因で目が開けにくい方に適しています。
眉毛に隠れる位置を切開するため、傷跡が目立ちにくいのが特徴です。
この手術では、目の形の変化が比較的少なく、二重の幅や目の印象を保ったまま、たるみの治療を行うことができます。また、まぶたの上側ではなく眉下を切るため、腫れが比較的少なく、ダウンタイムは1~2週間で短い傾向にあります。
視野障害や頭痛などの原因になっている場合は保険適用のケースもあります。手術の時間は30~60分程度です。
自然な仕上がりを重視する方や、目の形を変えたくない方におすすめの治療法です。
※手術の結果には個人差があります。
埋没式挙筋短縮術(切らない眼瞼下垂手術)
埋没式挙筋短縮術(まいぼつしききょきんたんしゅくじゅつ)は、メスを使わずに糸だけでまぶたの開きにアプローチする、いわば「切らない眼瞼下垂手術」です。特殊な糸で挙筋を調整・補強することで、目の開きの改善を図ります。
軽度の眼瞼下垂や、美容目的で目元をはっきりさせたい方に使われる治療法です。
手術時間は15~30分と短く、ダウンタイムも3~5日と少ない傾向にあり、手術翌日から通常の生活に戻れる場合が多いです。
ただし、糸による治療のため、効果が持続的ではない場合があります。数年後に糸が緩んで元に戻る可能性もあるため、症状が軽い方や、まずは手軽に試してみたい方に向いています。
※手術の結果には個人差があります。
眼瞼下垂手術で失敗しないためには、医師選びが重要です。名医を見極めるポイントについては、こちらの記事もあわせてご覧ください。
上まぶたのたるみ手術

上まぶたのたるみ手術は、加齢や遺伝によって生じた余分な皮膚や脂肪を取り除き、すっきりとした目元を目指す治療です。たるみが原因で視野が狭くなったり、老けた印象を与える悩みの改善が期待できます。
筋肉の問題ではなく皮膚の余りが主な原因なので、眼瞼下垂とは異なるアプローチです。症状に応じて適切な手術の種類を選択することで、良い結果が期待できます。
手術方法 | 手術時間 | ダウンタイム | 保険適用 |
---|---|---|---|
眉下切開法 | 30~60分 | 1~2週間 | 条件付 |
上眼瞼除皺術 | 60~90分 | 2~3週間 | 原則自費 |
挙筋前転法 | 60~90分 | 2~3週間 | 条件付 |
※手術時間やダウンタイムは目安
※保険適用の条件付は診察結果による
【こんな症状やお悩みのある方】
- まぶたが重く垂れ下がって見える
- 視界が狭くなり見づらさを感じる
- 実年齢より老けて見られがち
- アイメイクがうまくできない
- いつも疲れた表情に見られる
眉下切開法
眉下切開法は、上まぶたのたるみ治療において自然な仕上がりが期待できる手術です。眉毛の下側の皮膚を切開し、余分な皮膚を取り除くことで、目元をすっきりさせる効果が期待できます。
軽度~中度のたるみに適しており、手術時間は30~60分程度。視野障害がある場合は保険適用の可能性もあります。眉毛で傷跡が隠れやすいため、美容面でも配慮された治療として注目されています。
傷跡を目立たせないためには、丁寧な縫合技術が重要で、経験豊富な医師選びがポイントになるでしょう。
※手術の結果には個人差があります。
上眼瞼除皺術
上眼瞼除皺術(じょうがんけんじょすうじゅつ)は、まぶたの上側を直接切開して、余分な皮膚や膨らんだ脂肪を同時に取り除く手術です。重度のたるみや、目の上の脂肪が多くて腫れぼったく見える方に適しています。
一度の手術でたるみと脂肪の両方を処置できる治療法です。
この手術では、二重のラインに沿って切開するため、傷跡が目立ちにくい傾向があります。また、脂肪の除去により目元がすっきりとし、印象の変化が期待できます。
手術時間は60~90分程度です。ただし、まぶたの薄い皮膚を切除するため、術後の腫れぼったさを避けるには、慎重な皮膚切除量の調整が必要になります。
自然な仕上がりには、医師の高い技術力が求められる手術といえるでしょう。
※手術の結果には個人差があります。
挙筋前転法
挙筋前転法は、たるみと眼瞼下垂が同時に起こっている方に行われる手術です。まぶたを持ち上げる筋肉の機能を回復させながら、余分な皮膚も取り除くことで、目の開きと見た目の両方の改善を図ります。
単純なたるみ治療では効果が不十分な場合に選択される、より包括的な方法です。
この手術の特徴は、眼瞼下垂による目の開けにくさと、たるみによる見た目の印象の改善が期待できます。
眼瞼下垂を伴う場合は保険適用となることが多く、手術時間は60~90分ほど。術中に患者さんにも確認してもらいながら、自然な目の形に調整していきます。
上まぶたのたるみと眼瞼下垂の両方でお悩みの方には、効果的な解決策の1つとなるでしょう。
※手術の結果には個人差があります。
上まぶたのたるみでお悩みの方は、手術の詳細や費用について解説した下記の記事もあわせてご覧ください。
目の下のたるみ手術

目の下のたるみ手術は、加齢とともに目立ってくる下まぶたのふくらみや皮膚のたるみを改善して、目元の印象の変化を目指す治療です。それぞれの症状や原因に応じて、脂肪を取り除いたり移動させたり、余分な皮膚を切除する手術の種類があります。
適切な治療を選ぶことで、疲れた印象の改善や明るい表情に近づけることが期待できます。
手術方法 | 手術時間 | ダウンタイム | 保険適用 |
---|---|---|---|
下眼瞼脱脂術 | 30~45分 | 約1週間 | 自費 |
ハムラ法 | 60~90分 | 2~3週間 | 自費 |
皮膚切除術 | 45~60分 | 2~3週間 | 自費 |
※手術時間やダウンタイムは目安
【こんな症状やお悩みのある方】
- 目の下がぷっくりと膨らんで見える
- クマが目立って疲れた印象を与える
- 目の下の皮膚がたるんでシワができる
- ふくらみがコンシーラーでも隠せない
下眼瞼脱脂術(脂肪除去)
下眼瞼脱脂術(かがんけんだっしじゅつ)は、加齢とともに前方に押し出された眼窩内の脂肪組織を除去し、目元の印象を整える手術です。比較的若い方で、皮膚のたるみは少ないけれど、脂肪のふくらみが気になる場合などに適した治療法です。
手術時間は30~45分程度で、ダウンタイムが約1週間と比較的短い傾向にあり、費用も抑えられる場合が多いです。また、目の下の3つの脂肪区画(内側・中央・外側)をバランス良く調整することで、自然な仕上がりを目指すことができます。
ただし、くぼみが強い方などには向かない場合があります。その際は、脂肪を移動させるハムラ法や皮膚切除術との組み合わせを検討することもあります。
下眼瞼脱脂術は、比較的受けやすい治療として検討される手術の1つです。
※手術の結果には個人差があります。
ハムラ法(裏ハムラ・表ハムラ)
ハムラ法は、脂肪を取り除くだけでなく、その脂肪をへこんだ部分に移して、目の下全体を平らに整える手術です。「裏ハムラ」はまぶたの裏側から、「表ハムラ」は皮膚側からアプローチします。
医師が患者さんの目の状態を詳しく調べて、どちらの方法が適しているかを判断します。
手術時間は60~90分。脂肪を有効活用できることで、ふくらみとくぼみの同時改善が期待できます。
このハムラ法では、目の下にある靭帯などの組織を丁寧に処理し、脂肪を適切な位置に固定します。技術的に高度な手術のため、経験豊富な医師による執刀が重要です。
※手術の結果には個人差があります。
皮膚切除術(目の下のたるみ取り)
皮膚切除術は、目の下の余分な皮膚やシワを直接取り除く手術です。加齢によって皮膚がたるんでしまい、脂肪の処理だけでは改善が難しい場合に行われます。
余分な皮膚を切除して引き上げることで、すっきりとした目元に近づく効果が期待できます。
この手術で最も重要なのは、眼輪筋を温存すること。眼輪筋を傷つけてしまうと、涙袋が消失したり、下まぶたが反り返るリスクがあります。そのため、皮膚を眼輪筋から丁寧に剥離する高い技術力が求められる手術です。
また、皮膚切除後は眼輪筋を適切に処理して固定することで、皮膚にハリを与え、下まぶたの外反を予防することを目指します。
手術時間は45~60分程度で、皮膚のたるみが強い方などに適した治療方法の1つです。
※手術の結果には個人差があります。
目の下のまぶたのたるみ改善に向けて、年代別の対策を詳しく知りたい方は、下記の記事もあわせてご覧ください。
目の下のクマ手術

目の下のクマ手術は、疲れた印象や老けて見える原因となる部分にアプローチする治療です。クマには「黒クマ(影クマ)」「茶クマ」「紫クマ(青クマ)」「赤クマ」などがあり、それぞれ原因が異なります。
脂肪の突出による黒クマ、色素沈着による茶クマ、血行不良や皮膚の薄さによる紫クマなど、症状に応じた手術の種類を選ぶことが重要です。
手術方法 | 手術時間 | ダウンタイム | 保険適用 |
---|---|---|---|
下眼瞼脱脂術 | 30~45分 | 約1週間 | 自費 |
経結膜脱脂+脂肪注入 | 45~60分 | 1~2週間 | 自費 |
ハムラ法 | 60~90分 | 2~3週間 | 自費 |
ヒアルロン酸注入 | 10~15分 | 2~3日 | 自費 |
レーザー治療・美白治療 | 20~30分 | 数日 | 自費 |
※手術時間やダウンタイムは目安
【こんな症状やお悩みのある方】
- 朝起きてもクマが消えない
- 目の下の影が気になって仕方ない
- 疲れていないのに疲れて見られる
- 実年齢より老けた印象を与えている
- コンシーラーでも隠せないクマがある
下眼瞼脱脂術(脂肪除去)
下眼瞼脱脂術は、目の下にできる黒クマの代表的な治療法の1つです。黒クマの正体は、目の下の脂肪が前に突出することでできる「影」。この余分な眼窩脂肪をまぶたの裏側から取り除くことで、ふくらみの軽減と影の改善を目指します。
皮膚表面を切らない「経結膜脱脂法(けいけつまくだっしほう)」では、傷跡が目立たないのがメリットです。
手術では、目の下の3つの脂肪区画を患者さんの状態に合わせて調整します。取りすぎると凹みができてしまうため、適切な量を見極める技術が重要です。
手術時間は30~45分程度で、ダウンタイムも約1週間と比較的短く済みます。
下眼瞼脱脂術は、コストパフォーマンスが良いと感じる方も多い手術の1つです。「高額な治療を勧められたけれど迷っている」という方も、まずはこの手術で満足される方も少なくありません。
※手術の結果には個人差があります。
経結膜脱脂+脂肪注入(戻し脂肪注入)
経結膜脱脂と脂肪注入を組み合わせた治療は、黒クマと紫クマの両方にアプローチできる手術の1つです。
まず脱脂でふくらみを取り除き、取り出した脂肪を細かく処理して目の下の薄い部分に注入し直します。これにより、皮膚の透けによる赤みや紫っぽい色の改善も期待できます。
脂肪注入の魅力は、自らの脂肪を使うため異物反応の心配がないことと、自然な仕上がりを目指せることです。ボリュームアップ効果は限定的ですが、皮膚が薄くて血管が透けて見える紫クマには適している場合が多いです。
手術時間は45~60分程度で、追加費用も+数万円程度と比較的リーズナブルに感じる方が多いです。単純な脱脂では物足りない方や、より自然な仕上がりを求める方におすすめの治療法です。
※手術の結果には個人差があります。
ハムラ法(脂肪移動術)
ハムラ法は、クマ治療の中でも高度な技術を要する手術の1つです。脂肪を単純に取り除くのではなく、くぼんだ部分に移動させて固定することで、目元全体のバランスを整えます。特に加齢による重度の黒クマや、ふくらみとくぼみが混在している複雑なケースに適している治療法の1つです。
この手術では、ゴルゴ線と呼ばれる頬の凹みにまでアプローチするため、顔全体の印象に変化をもたらすことが期待できます。ただし、技術的に高度な手術のため、経験豊富な専門医による執刀が不可欠です。
手術時間は60~90分程度で、効果の持続性も見込めるのが特徴です。長期的な改善効果を求める方や、複数の悩みを一度に解決したい方に適した選択の1つといえるでしょう。
※手術の結果には個人差があります。
ヒアルロン酸注入(非手術治療)
ヒアルロン酸注入は、手軽にクマの改善を図る非手術治療として注目されています。目の下のくぼみにヒアルロン酸を注入することで、影クマを目立たなくし、印象の変化が期待できます。
注射だけで完了するため、「手術は怖いけれど何とかしたい…」という方の入門編として選ばれることも多いです。施術時間は10~15分程度で、軽度のクマなどに適しています。
ただし、効果は一時的で定期的なメンテナンスが必要になります。また、体内に異物を入れることに抵抗がある方は、自らの脂肪を使った脂肪注入と比較検討するのも1つでしょう。
※効果には個人差があります。
レーザー治療・美白治療(非手術治療)
レーザー治療や美白治療は、色素沈着による茶クマに効果的な非手術治療です。Qスイッチレーザーやフォトフェイシャルなどを使用して、メラニン色素を分解・排出することで、くすんだ目元の改善を目指します。
シミやそばかすも同時にアプローチできるため、肌全体への効果も期待できる場合があります。
この治療は、多くのクリニックが採用しており、比較的安全性が高いといわれることもありますが、実際は執刀医次第です。技術が低いと合併症を引き起こす事があるため、医師選びには特に注意が必要です。
複数回の施術で徐々に改善を目指すため、
手術自体は20~30分ほどですが、定期的なメンテナンスが必要で、クマが目立たなくなるまでには時間がかかります。複数回の施術で徐々に改善を目指しながら、自然な変化を求める方などに適しています。
※効果には個人差があります。
目の下のクマの原因やタイプ別の対策方法について詳しく知りたい方は、下記の記事が参考になります。
一重→二重の手術

一重→二重の手術は、生まれつき一重まぶたや奥二重の方が、ぱっちりとした二重まぶたを手に入れるための美容整形です。目が小さく見える、眠そうな印象を与える、アイメイクが映えないなどの悩み改善が期待できます。
手術の種類は大きく分けて「埋没法」と「切開法」の2つがあり、それぞれにメリット・デメリットがあります。医師と相談の上で、自身の状態や希望に応じて選択することが大切です。
手術方法 | 手術時間 | ダウンタイム | 保険適用 |
---|---|---|---|
埋没法 | 15~30分 | 3~5日 | 自費 |
小切開法 | 30~45分 | 1~2週間 | 自費 |
全切開法 | 60~90分 | 2~4週間 | 自費 |
※手術時間やダウンタイムは目安
【こんな症状やお悩みのある方】
- もっとぱっちりした目になりたい
- いつも目つきがきついと言われる
- アイメイクがなかなか決まらない
- 写真うつりで目が埋もれて見える
- 二重のりやアイテープが手放せない
- 目が小さくてコンプレックスを感じる
埋没法(切らない二重整形)
埋没法は、メスを使わずに特殊な糸でまぶたの内側を固定し、自然な二重ラインを作る手術です。皮膚と瞼板(まぶたの結合組織板)を糸で結ぶことで、目を開けた時に自然に折り込まれる二重ラインの形成を目指します。
「切らない二重整形」として多くの方に選ばれており、比較的腫れが少なく回復も早い傾向があります。手術後数日で化粧が可能な場合も多く、仕事や学校への影響を抑えやすいです。
もし仕上がりに満足できない場合は、糸を取って元に戻すことも可能ですが、完全に元通りになるとは限りません。この点は要注意です。
手術時間は15~30分程度です。ただし、まぶたの皮膚が厚い方や脂肪が多い方には向かない場合があり、時間の経過とともに糸が緩んで二重が薄くなる可能性もあります。そのため、軽度の一重まぶたの方に適した治療法の1つです。
なお、埋没法は糸をかける箇所により、瞼板法と挙筋法の2つに分けられます。この内、挙筋法は、挙筋腱膜の下層に位置するミュラー筋への影響が懸念されるため、将来的なリスクを考えると推奨できない場合があります。
※手術の結果には個人差があります。
小切開法・全切開法
切開法は、まぶたの皮膚を実際に切開して、二重ラインを作る手術です。不要な脂肪や余分な皮膚を取り除きながら、しっかりとした癒着を形成するため、埋没法と比較して、より持続的な二重ラインが期待できます。
切開の範囲によって「小切開法」と「全切開法」に分かれ、状態に応じて使い分けます。
「小切開法」は、部分的な切開で済む軽度~中度の場合に適しており、全切開法に比べて腫れや痛みが少ないのが特徴です。一方、「全切開法」は重度のたるみや脂肪が多い方、幅広い二重を希望する方に適しています。
目頭切開などの他の手術との組み合わせも可能ですが、リスクや費用も増えるため十分な検討が必要です。
手術時間は小切開法が30~45分、全切開法が60~90分ほどです。全切開法のダウンタイムは2~4週間と長めですが、その分、より持続的な効果が期待できます。「元に戻るリスクを避けたい」「しっかりとした二重が欲しい」という方や、埋没法では改善が難しい重度の方に適した治療法の1つといえるでしょう。
※手術の結果には個人差があります。
二重手術の種類や自分に合った施術方法について詳しく知りたい方は、下記の記事もぜひチェックしてみて下さい。
以上、まぶたの症状やお悩み別に、5つの手術の種類を詳しく紹介しました。眼瞼下垂から美容目的の二重形成まで、あなたに合った理想の目元を目指してみて下さい。
まとめ|まぶた手術で目指す理想の目元

まぶたの手術は、単に見た目を美しくするだけでなく、視野の改善や日常生活の質の向上にもつながる重要な治療です。様々な手術の種類がありますが、何より大切なのは「あなたの症状や希望に適した治療を選択すること」です。
そして、まぶた手術を成功させるために、以下のポイントを意識しましょう。
- 経験豊富な医師に正しく診断してもらう
- 適正な料金と保険適用の可能性を確認する
- ダウンタイムを考慮して手術時期を決める
- 手術後のアフターケアまで含めて検討する
また、カウンセリングの際に、執刀医自らが「あなたの悩みをじっくりと聞いた上で提案してくれるか」も重要なポイントです。
まぶたの悩みは人それぞれ違うもの。その悩みから一歩踏み出し、自分らしい理想の目元に近づくことで、人との関わりに自信を持てるようになるなど、毎日の生活に満足感が生まれる方も多いです。
ただし、手術は一度行うと元に戻すことが難しい場合も多く、十分な検討と信頼できる医師選びが欠かせません。ここで重要なのが「どの医院で受けるか」よりも「どの医師にお願いするか」です。
Dr.やなの監修コメント
まぶたの手術は、患者さんの症状や希望に応じて種類の選択肢があります。大切なのは、見た目の改善だけにとらわれず、機能面も考えた総合的な治療を行うことです。
また、手術を検討されている方の多くが「費用はどのくらいかかるの?」「保険は使えるの?」と不安に思われています。
私は、患者さんのそうした心配を少しでも軽減できるよう、保険適用できる治療はできる限り保険で対応し、自費治療が必要な場合も無理のない範囲で受けていただけるよう心がけています。
これは患者さんにとって、本当に必要な治療を適正な価格で提供することを何より大切にしているからです。まぶたの悩みでお困りの方は、お気軽にご相談ください。