「最近、目が開きにくい気がする…」 「疲れてないのに、いつも眠そうと言われる…」 「頭痛や肩こりが続いている…」
こんな症状に心当たりはありませんか?もしかすると、それは「眼瞼下垂(がんけんかすい)」かもしれません。
Dr.やなは埼玉、東京、千葉の11の病院・クリニックに勤務する形成外科専門医です。これまで20年以上にわたり眼瞼下垂の治療を行ってきました。今では年間100件以上のまぶた手術を執刀しています。
この記事では、そうしたDr.やなの経験から、正しく、為になる情報をと思い、自宅で簡単にできる眼瞼下垂のセルフチェック方法と、症状の見分け方、そして医療機関を受診すべきタイミングについてお伝えします。
も く じ
Toggle眼瞼下垂とは?基本を知ろう

眼瞼下垂とは、まぶたを持ち上げる筋肉(眼瞼挙筋)の機能低下や、その筋肉とまぶたをつなぐ腱膜(けんまく)の緩みによって、まぶたが通常より下がってしまう状態です。
「見た目の問題」と思われがちですが、実は視野の狭さから頭痛や肩こりを引き起こしたり、目の疲れを増幅させたりするなど、日常生活に様々な支障をきたす可能性がある病気です。
眼瞼下垂の主な原因
眼瞼下垂になる原因は大きく分けて以下の3つです。
- 加齢によるもの:
年齢とともに眼瞼挙筋や腱膜が衰えることで発症 - 先天性のもの:
生まれつき眼瞼挙筋の力が弱い - 後天的要因:
コンタクトレンズの長期使用、まぶたを頻繁にこする習慣など
特に注目していただきたいのは3つ目の後天的要因です。日常生活の中の何気ない習慣が、眼瞼下垂の発症や進行に影響している可能性があります。
5分でできる!眼瞼下垂セルフチェック

では、自分が眼瞼下垂かどうかをチェックする方法をご紹介します。以下の3つのテストは、鏡さえあれば自宅で簡単にできますので、ぜひ試してみてください。
テスト1:黒目の位置チェック
やり方:
- 鏡の前に立ち、自然な状態で正面を見ます
- 黒目(瞳孔)の上にまぶたがどのくらいかかっているか確認します
判定基準:
- 正常:黒目の上1〜2mmほどをまぶたが覆っている
- 軽度の眼瞼下垂:黒目の上3mm以上をまぶたが覆っている
- 中程度の眼瞼下垂:黒目の中心(瞳孔)までまぶたがかかっている
- 重度の眼瞼下垂:黒目の半分以上がまぶたに隠れている
テスト2:額の力チェック
やり方:
- 鏡の前で、自然に目を開いた状態を確認します
- 額(おでこ)に横じわが寄っていないか観察します
判定基準:
- 正常:額に力が入っておらず、横じわが見られない
- 眼瞼下垂の可能性:無意識のうちに額に力が入り、横じわが見られる
このテストのポイントは、眼瞼下垂の方は無意識のうちに前頭筋(おでこの筋肉)を使って目を開こうとするため、額にしわが寄りやすくなります。
テスト3:眉毛固定テスト
やり方:
- 鏡の前で目を軽く閉じます
- 両手の指で両方の眉毛を軽く下に押さえます
- その状態で目を開けてみます
判定基準:
- 正常:眉毛を押さえていても問題なく目を開けられる
- 眼瞼下垂の可能性:眉毛を押さえると目が開きにくい、または開かない
これは、眉毛を上げる筋肉(前頭筋)の力を使わずに、純粋に眼瞼挙筋の力だけでまぶたを持ち上げられるかを確認するテストです。
重症度別の症状チェックリスト

眼瞼下垂は症状の重さによって、生活への影響も変わってきます。以下のチェックリストで、あなたの症状の重症度を確認してみましょう。
症状チェックリスト:
□ 夕方になると目が開きにくくなる
□ 常に眠そうな顔に見られる
□ 写真を撮ると目が小さく写る
□ 終日、目が開きにくい
□ 物が見えにくく、視野が狭い
□ 無意識のうちに眉毛を上げている
□ 頭痛がよく起こる
□ 肩こりや首のこりがひどい
□ 正面を見るのが困難で、あごを上げて見る
□ 目の疲れがひどく、長時間の読書やPC作業ができない
□ 前頭部の頭痛が慢性的に続いている
□ 慢性的な肩こりで、肩が常に凝っている
□ 運転中に視界が狭くて危険を感じたことがある
□ 人から「怒っている?」と誤解されることが多い
□ 鏡を見るのが嫌になってきた
判定基準:
- 2~3項目あてはまる → 軽度の症状
- 4~6項目あてはまる → 中程度の症状
- 7項目以上当てはまる → 重度の症状
いかがでしたでしょうか?
ご自身の症状がどの程度なのか、把握しておくことは治療をスムーズに行うためにとても重要です。これらの症状を医師に伝えることで、より適切な治療方針となるでしょう。
眼瞼下垂vs皮膚のたるみ(偽眼瞼下垂)の見分け方

「眼瞼下垂」に似た症状として「まぶたの皮膚のたるみ」があります。これは「偽眼瞼下垂(ぎがんけんかすい)」とも呼ばれ、治療方法が異なるため、見分けることが重要です。
眼瞼下垂の特徴
- まぶたを開く筋肉(眼瞼挙筋)自体に問題がある
- 横を向いた時も目が開きにくい
- 若い人でも起こりうる
- 目を閉じた時に、まぶたが完全に閉じにくいことがある
皮膚のたるみ(偽眼瞼下垂)の特徴
- 皮膚の余剰(たるみ)が主な原因
- 横を向くと比較的目が開きやすくなる
- 主に40代以降の年代に多い
- 目を閉じた時に問題ない
見分け方のポイントとして、まぶたの皮膚を指で軽く持ち上げてみてください。持ち上げるだけで目の開きがよくなれば、皮膚のたるみ(偽眼瞼下垂)の可能性が高いです。一方、皮膚を持ち上げても目の開きが変わらなければ、眼瞼下垂の可能性が考えられます。
目からくる「意外な症状」にも注目

眼瞼下垂は目以外の部分にも様々な症状を引き起こします。以下のような症状がある場合、実はそれが眼瞼下垂によるものかもしれません。
頭痛・肩こり
眼瞼下垂があると、無意識のうちに目を開けようと額に力を入れ続けます。その結果、前頭部の筋肉が緊張状態になり、頭痛や肩こりを引き起こします。
眼精疲労
まぶたが下がって視野が狭くなることで、目に余計な負担がかかり、眼精疲労の原因になります。「最近、目が疲れやすい」と感じる方は、眼瞼下垂の可能性も考えてみてください。
精神的ストレス
「怒っている」「疲れている」と誤解されることでのストレスや、鏡を見るたびに感じる老けた印象へのストレスも、眼瞼下垂が招く精神的な症状と言えます。
こんな人は要注意!眼瞼下垂になりやすい生活習慣

眼瞼下垂は、日常生活の習慣によって発症リスクが高まることがあります。以下の習慣に心当たりがある方は、注意が必要です。
コンタクトレンズの使用
特にハードコンタクトレンズを長期間使用している方は、レンズの出し入れの際にまぶたを引っ張ることで眼瞼挙筋や腱膜にダメージを与え、眼瞼下垂のリスクが高まります。
まぶたをこする習慣
花粉症やアレルギー性結膜炎などで目をよくこする方、洗顔やアイメイクを落とす際に目元を強くこする方も注意が必要です。まぶたを頻繁に擦ることで、眼瞼の組織が緩み、眼瞼下垂を引き起こすことがあります。
スマホやPCの長時間使用
長時間の画面注視はまばたきの回数を減少させ、目の周りの筋肉の緊張状態を招きます。これが続くと、眼瞼挙筋にも負担がかかり、眼瞼下垂のリスクが高まります。
受診の目安:こんなときは医療機関へ

セルフチェックの結果、以下のような場合は、形成外科や眼科の専門医への受診をおすすめします。
受診が必要なケース
- セルフチェックで中程度以上の眼瞼下垂の可能性がある
- 視野が狭くなって日常生活に支障がある
- 頭痛や肩こりが慢性的に続いている
- 片方の目だけが急に下がってきた(これは脳梗塞や神経の病気の可能性もあるため、早急な受診が必要です)
どの科を受診すべき?
眼瞼下垂の治療は、形成外科と眼科のどちらでも可能ですが、Dr.やなとしては以下の選び方をおすすめします。
- 形成外科:見た目も含めた総合的な改善を希望する場合
- 眼科:眼球自体の問題も併せて診てほしい場合
特に、眼瞼下垂の手術は繊細な技術が求められるため、眼瞼下垂の治療経験が豊富な医師を選ぶことが大切です。
簗(やな)医師より:早期発見・早期治療が大切

眼瞼下垂は放置すると、徐々に悪化していくことが多い症状です。単なる「見た目の問題」と思わず、視機能の低下や全身の不調にもつながる可能性がある病気として、早めの対応が大切です。
今回ご紹介したセルフチェックで「もしかして眼瞼下垂かも?」と感じた方は、ぜひ専門医に相談してください。適切な治療によって、見た目の印象改善はもちろん、頭痛や肩こりの軽減、視界の改善など、生活の質を高めることができます。
あなたの目元の悩み、Dr.やなにぜひお聞かせください。一人ひとりの症状や希望に合わせた最適な治療法をご提案いたします。