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【医師監修】まぶたのたるみ手術ってどうするの?原因・治療法・費用をわかりやすく解説!

「最近、老けた?」と言われることが増えた…
「鏡を見るたびに気分が沈む」
「不機嫌そうに見られるけど、そんなつもりはないのに…」

もしかしたら、その悩みの原因はまぶたのたるみかもしれません。

でも大丈夫です。まぶたのたるみは、適切な治療で改善できる症状です。しかも、多くの場合で保険適用が可能なことをご存知でしたか?

この記事では、形成外科専門医として20年以上まぶたの治療を専門に行ってきた私、簗(やな)由一郎が、まぶたのたるみの原因から手術方法、実際の費用まで、わかりやすく解説します。読み終えた頃には、きっとあなたのお悩みを解決する糸口が見つかるはずです。

そもそも、まぶたはどうしてたるむの?

まぶたはどうしてたるむの?

まずは、なぜまぶたがたるんでしまうのか、その原因を理解することから始めましょう。

加齢による影響

最も一般的な原因は加齢です。年齢を重ねると、以下のような変化が出てきます。

  • まぶたを上げる筋肉(眼瞼挙筋・ミュラー筋)が徐々に弱くなる
  • 皮膚のコラーゲンやエラスチンが減少し、弾力を失う
  • 眼輪筋(がんりんきん)という目の周りの筋肉が減少し、脂肪に変化する

これらの変化により、まぶたの皮膚が下がってきて、「たるみ」が生じるのです。

生活習慣による影響

実は、年齢だけでなく、日常の習慣も大きく関係しています。たとえば、、、

  • スマートフォンやパソコンの長時間使用
    • まばたきの回数が極端に減る
    • 目の筋肉を使わなくなり、衰えが加速
  • アイメイクや洗顔の摩擦
    • 強くこすることで皮膚がダメージを受ける
    • 特に、メイク落としの際の摩擦に注意
  • コンタクトレンズの長期使用
    • 装着・取り外し時にまぶたを引っ張る動作が繰り返されることで、 まぶたの筋肉に負担がかかる

眼瞼下垂(がんけんかすい)について

まぶたのたるみの中でも特に注意が必要なのが眼瞼下垂。これは単なる皮膚のたるみではなく、まぶたを上げる機能自体が低下している状態です。

こんな症状がある方は、眼瞼下垂の可能性がありますので、チェックしてみてください。

  • 視界が狭くなった
  • おでこにシワが増えた
  • 頭痛や肩こりが治らない
  • 眠そうに見えると言われる

まぶたのたるみ手術の種類と方法

まぶたのたるみ手術の種類と方法

まぶたのたるみ治療には、いくつかの方法があります。患者さんの状態やご希望に合わせて、最適な手術方法を選択します。

保険適用になる手術

主に、眼瞼下垂手術(挙筋前転法)と眉下切開(眉下皮膚切除)があります。

1. 眼瞼下垂手術(挙筋前転法)

対象: 視界が狭い、頭痛・肩こりなどの症状がある方

方法:

  • まぶたの皮膚を切開
  • 弱くなった眼瞼挙筋腱膜(がんけんきょきんけんまく)を瞼板(けんばん)に再固定
  • 必要に応じて余分な皮膚や脂肪を除去

手術時間: 両目で約60分

費用: 3割負担で35,000円~45,000円(両目)

2. 眉下切開(眉下皮膚切除)

対象: 皮膚のたるみが主な原因で、視機能に問題がある方

方法:

  • 眉毛の下を切開
  • 余分な皮膚を切除
  • 丁寧に縫合

メリット:

  • 傷跡が眉毛の下に隠れる
  • 自然な仕上がり

費用: 3割負担で35,000円~45,000円(両目)

自費診療(自由診療)となる手術

自由診療となるのは、上眼瞼切開術(じょうがんけんせっかいじゅつ)や糸による眼瞼下垂治療(埋没法)です。

1. 上眼瞼切開術(じょうがんけんせっかいじゅつ)

対象: 美容目的でまぶたのたるみを改善したい方

方法:

  • 二重のラインに沿って切開
  • 余分な皮膚と脂肪を除去
  • 希望に応じて新しい二重ラインを作成

費用: 15万円~30万円程度(クリニックにより変動)

2. 糸による眼瞼下垂治療(埋没法)

対象: 軽度のたるみ、切らない治療を希望する方

方法:

  • 特殊な糸で内側からまぶたを持ち上げる
  • 切開不要

費用: 10万円~20万円程度

私(Dr.やな)の手術への考え方

私(Dr.やな)の手術への考え方

20年以上、まぶたの手術を行ってきた経験から申し上げると、患者さんにとって本当に必要な治療を、適正な料金で受けていただくことが何より重要だと考えています。

保険適用にできるものは、保険で

私が診察、手術をするクリニックでは、以下の条件を満たす場合、積極的に保険適用を検討します。

  • 視野が狭くなっている
  • 頭痛や肩こりなどの症状がある
  • 日常生活に支障をきたしている

「美容目的だから保険は無理だろう」と諦めず、まずは診察を受けていただければと思います。

無理な勧誘は一切行いません

大手クリニックでよくあるような、高額な手術へのご誘導は一切行いません。カウンセリングでは、患者さんのお悩みをじっくりお聞きして、必要最小限の治療方法を提案するのが、私のモットー。メリット・デメリットを正直にお伝えするのが医師として誠実な態度だと考えています。

まぶたの手術の流れと注意点

まぶたの手術の流れと注意点

実際に手術を受ける時の流れを、詳しくご説明しますね。初めての方でも安心してもらえるように、順を追って解説します。

術前準備

初診・カウンセリング(所要時間:30〜45分)

まずは、じっくりとお話を伺います。

  • 症状の詳しい確認
    • いつ頃から気になり始めたか
    • 日常生活での困りごと
    • 視野の状態、頭痛・肩こりの有無
  • 保険適用の可否判定
    • 視野検査(ゴールドマン視野検査など)
    • まぶたの挙上機能テスト
    • 写真撮影(術前術後の記録用)
    • 健康保険証の確認
  • 治療方針の決定
    • 手術方法の選択
    • 二重のラインの希望
    • 左右のバランス調整
    • 手術のリスク説明

手術予約

  • 手術日の調整
    • 1〜2ヶ月先の予約が一般的
    • 大切な予定(結婚式、旅行など)を考慮
    • 術後の通院スケジュール確認
  • 必要な検査
    • 採血検査(血液凝固能など)
    • 心電図検査(必要な場合)
    • 常用薬の確認(血液サラサラの薬は調整が必要)

手術当日

来院〜手術開始まで(所要時間:30分)

当日の準備について:

  • 服装
    • 前開きの服装が望ましい
    • ノーメイクで来院
    • 当日は車の運転不可(付き添いの方と来院推奨)
  • 最終確認
    • 体調チェック
    • 手術部位の再確認
    • 麻酔の説明と同意

麻酔(所要時間:10〜15分)

私が特に心がけているポイント:

  • 局所麻酔の工夫
    • 34ゲージの極細針を使用
    • 麻酔薬の温度調整(体温に近づける)
    • 注入速度をゆっくりと
    • 目薬の麻酔も併用
  • 患者さんへの配慮
    • 手術中の音楽選択
    • こまめな声かけ
    • 緊張があれば休憩も可能

手術(片目30分、両目60分程度)

手術の実際の流れ:

  1. 皮膚切開
    • 二重ラインまたは眉毛下を正確に切開
    • 炭酸ガスレーザーの併用で出血を最小限に
  2. 筋肉・腱膜の処理
    • 眼瞼挙筋腱膜の確認
    • 必要に応じて筋肉の調整
    • 眼窩脂肪の適切な除去
  3. 縫合
    • 層別の丁寧な縫合
    • 傷跡が最小限になるよう配慮
    • 術中に何度も左右バランスを確認

術後管理

手術終了〜帰宅まで(所要時間:1〜2時間)

  • リカバリー室での安静
    • 30分〜1時間程度
    • バイタルチェック
    • 出血・腫れの確認
  • 帰宅時の準備
    • 眼帯またはガーゼ保護
    • 処方薬の説明(痛み止め、抗生剤)
    • 術後注意事項の確認

翌日〜抜糸まで(1週間)

  • 翌日診察(必須)
    • 創部の状態確認
    • 感染の有無チェック
    • 痛み・腫れの評価
  • 3〜4日目
    • 経過確認(必要に応じて来院)
    • 洗顔方法の指導
  • 抜糸(5〜7日後)
    • 糸の除去
    • 傷跡のケア方法説明
    • メイク再開時期の指導

術後経過(詳細スケジュール)

私の経験から、標準的な経過をお伝えします。

1週間まで

  • 腫れ: 2〜3日がピーク、ゴルフボール大の腫れが一般的
  • 内出血: 青紫色に変化、徐々に黄色くなる
  • 痛み: 2〜3日間、鎮痛剤で対応可能
  • 生活: 軽い家事程度はOK、重労働・運動は禁止

2週間まで

  • 腫れ: 50%程度軽減、人前に出られる状態に
  • 内出血: 80%程度改善
  • メイク: 患部以外は1週間後から可能
  • 仕事: デスクワークなら復帰可能

1ヶ月まで

  • 腫れ: 70〜80%改善、自然な見た目に
  • 傷跡: 赤みが残るが、化粧でカバー可能
  • 生活: ほぼ通常通り、マッサージは控える

3ヶ月まで

  • 腫れ: ほぼ完全に消失
  • 傷跡: 白っぽく目立たなくなる
  • 完成形: 最終的な仕上がりに

個人差がありますので、心配な症状があれば遠慮なくご連絡ください。メールでご連絡いただければ、2-3日内にお返事いたします。

私(Dr.やな)からのアドバイス

Dr.やなからのアドバイス

20年以上、まぶたの手術を行ってきた経験から、患者さんへ3つの重要なアドバイスをお伝えします。

クリニック選びで絶対に外せないポイント

執刀医の経験と専門性を確認する

  • 形成外科専門医の資格があるか
  • まぶた手術の経験が豊富か
  • 症例写真や実績を公開しているか

私自身、東京大学形成外科で研鑽を積み、これまで数千例の手術を行ってきました。まぶたの手術は繊細な技術が求められるため、経験の浅い医師による執刀では、左右差が出たり、不自然な仕上がりになるリスクがあります。

料金の明確性を重視する

  • 事前に総額費用を明示してくれるか
  • 追加料金が発生する可能性について説明があるか
  • 保険適用の可否を正直に伝えてくれるか

大手クリニックでは、初回は安く見せておいて、実際は50万円以上の高額治療を勧めるケースもあります。私のクリニックでは、カウンセリング時に全ての料金を明確にお伝えしています。

カウンセリングの丁寧さ

  • 執刀医自身がカウンセリングを行うか
  • 患者の悩みをじっくり聞いてくれるか
  • メリットだけでなくデメリットも説明するか

5分で終わるような流れ作業の診察や、医師以外のカウンセラーが「モニターなら安くできます」と勧誘するクリニックは避けることをおすすめします。

術後のセルフケアで差が出る!

手術の成功は、術後のケア次第で大きく変わります。私が患者さんにお伝えしている重要なポイントをご紹介します。

当日〜3日目まで

  • 保冷剤をタオルで包み、目元を20分冷やす・20分休むを繰り返す
  • 頭を高くして寝る(枕を1〜2個重ねる)
  • 血行が良くなる運動や飲酒は避ける

1週間〜2週間

  • 洗顔は目元以外を優しく(患部は濡らさない)
  • アイメイクは抜糸後、医師の許可が出てから
  • 帽子やサングラスで紫外線対策

1ヶ月〜

  • マッサージは1ヶ月後から軽く
  • アイクリームでしっかり保湿
  • 定期的な経過観察を必ず受ける

再発について知っておきたいこと

手術後によくある質問「また、たるみは出てきますか?」について、正直にお答えします。

年齢とともに再び変化する可能性

  • 手術で改善された状態も、10〜15年後には加齢変化が出ることがある
  • ただし、手術前の状態に戻ることはほとんどない
  • 再手術が必要な場合は、1回目より簡単な施術で済むことが多い

長持ちさせるコツ

  • 目を強くこすらない
  • 紫外線対策を徹底する
  • 適度な保湿ケアを継続する
  • 定期的な検診を受ける(1年に1回程度)

私は患者さんに「手術は一生に一度の投資」とお伝えしています。適切な手術と術後のケアで、長期間にわたって明るい表情を保つことができます。

よくある質問(Q&A)

よくある質問(Q&A)

最後に、患者さんからよくいただく質問にお答えしますね。ぜひ参考にしてください。

Q: 手術は痛くないですか?

A: 局所麻酔を使用しますので、手術中の痛みはほとんどありません。私は特に細い針を使用し、麻酔時の痛みも最小限にするよう配慮しています。

Q: 保険適用になるかどうか、事前にわかりますか?

A: 診察時に保険適用の基準に合うかどうかを判定します。グレーゾーンの場合も、患者さんにきちんと説明いたします。

Q: 左右差が出ることはありませんか?

A: 手術の技術と経験により左右差は最小限に抑えられます。私は術中に何度も確認を行い、左右のバランスを調整しています。

Q: 再手術が必要になることはありますか?

A: 適切な手術が行われれば、再手術が必要になることは非常に稀です。ただし、修正が必要な場合も対応いたします。

まとめ

まぶたのたつみ手術を終えて、満足そうな女性

まぶたのたるみは、年齢を重ねると誰にでも起こりうる自然な現象です。しかし、その程度や症状によっては、日常生活に大きな影響を与えることもあります。

重要なのは、無理な美容整形ではなく、本当に必要な治療を適正な価格で受けること。そして、経験豊富な医師のもとで、安心して治療を受けていただくことです。

私は20年以上にわたってまぶたの手術を行ってきた経験から、患者さん一人ひとりに最適な治療法をご提案いたします。

まぶたのお悩みは、決して我慢する必要はありません。ぜひお気軽にご相談ください。

まぶた手術を得意とする形成外科Dr.簗(やな)由一郎

監修:簗 由一郎

形成外科専門医の簗(やな)由一郎です。眼瞼下垂などの「まぶたの手術」を専門に、埼玉・東京の医療機関で診療しています。20年以上の経験と技術で、自然で負担の少ない治療を心がけています。お悩みがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。

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About

形成外科専門医Dr.やなが運営する、まぶた・目の下のたるみ・クマ・眼瞼下垂治療の専門WEBメディア。埼玉・東京・茨城の10院以上で、目の下のたるみ取り・クマ取り・眼瞼下垂手術を専門に保険適用で治療します。自費の場合も、なるべく負担のないように低価格で医療をご提供したいと思い、まぶたの悩み専門メディアを立ち上げました。